これから日記を書く 8冊目
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26:ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間  ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/05/30(水) 03:28:44.98 ID:RMaYnkXV0
『影からの声、影を追う者』

「後少し、後少しのはずだ」

端末を叩く男の目は狂気を宿す。それとも、この世界ではそれを宿しているのが正常なのか、それはわからない。だが、一つ言えるのは白衣というにはそれがどうに、血とそれが変色した斑点がもはやまだら模様と化しているところは、男が正常ではないという事実を突き詰めるものだろう。

「くそ、まだダメか」

端末から吐き出される文字は『NO ACCESS』、これは実験が失敗していることを意味している。睨む視界の先にあるのは、その文字が吐き出される機械的な内容とは別の、ある意味では陰惨な状態がある。

「ゾンビではない検体を集める方が大変だというのに…」

中央には六芒星、それは赤黒いもので描かれている。中に書かれているのは英語のようで違うところから、恐らくはラテン語か。ただ問題はその周囲だろう。

無残に転がる抜き出された内臓、四肢は当然として指もいくらか転がっている。部屋の隅に投げ捨てられるように置かれている頭は、死後の人間性すら否定してしまっているようだ。この世界においても、十分まともではない。

『お…………さ………』

ノイズのかかる何かが、男に直接降ってきた。挙動不審に周囲を見渡す男には、何も見えはしない。その陰惨な光景すらも。

「待っていろ…、絶対にお前を…」

『……と…………さ……』

その言葉の時に狂気さは薄まるようにも、濃くなるようにも見える。どちらにしろ、男はまともではない。その事実が変わることではない。

ただ、古ぼけたその書物に書かれていることが、男の目的なのだろう。『Different Dimension connect』、異界との接触。


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