これから日記を書く 8冊目
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29:ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間  ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/05/31(木) 02:59:46.23 ID:GTjWDyTU0
『軍属として』

「上村3等陸尉、いるか?」

「へぃへぃ、どうされましたか陸佐殿」

軍事キャンプに勇ましい様子で入ってきた中性の人物がそう呼び掛け、無精ひげを生やす男が面倒そうに返事をする。3等陸佐だという返しも、その男ははいはい本題へと促す。

「この地域で収集可能なものは完了した。更に南下し、引き続き東京へと向かう。部隊編成を進めてくれ」

「いやいや、それこそ陸…、3等陸佐殿がやられてはどうです?」

別働で動いている部隊への連絡、指揮及び民間人の説明があるときっぱり断ってきた。それに、面倒そうに頭を男はかく。

「別にこの場所に根付いてもいいんじゃないですかね? 無理に東京へ向かって弾やら油やらを消費するよりは現実的だと思いますよ?」

「ならん。今は完全な無政府状態だ。臨時政府を設けるのは必須、その為に国会議事堂は抑え、混乱に終止符を打つ」

そんな簡単な話なわけがないのにと、男は思うし、中性の男も本心はそう思っている。だが、このままでは混沌だけが続く、何かの歯止めのきっかけは絶対に必要だった。

それが偽善的であっても、この勢力として目的はその事による国家統一。

「しっかし、あの得体の知れない部隊はどうするんです?」

「破壊するのも任務だ。連中がこの状況を作り出したとみていい。それに限らず、阻む障害はすべて敵とみなせ」

通達は終わりだと、中性の人間はテントから出ていく。相変わらずの勝手さに、男は聞こえてほしいという願いを込めてため息をついた。

部隊の構成自体は悪くない。兵士について小隊規模の人数も維持できているし、物資の収集もあり戦える状態は続いている。だが、問題なのはその道中で保護した民間人だ。多いとは言えないが、少なくもない。防衛を手伝ってもらえる生存者もいるが、規律を大事にする先ほどの人間(あたまでっかち)には通じない。

東北からの南下してきたことを思えばゆっくりした行軍だが、それでもその道中がまともだったわけじゃない。戦争のような、多少規律のある戦いは惨劇の世界にはあまりなく、今の地点に1年以上経っている程度で終われている方が運がいいのかもしれない。

「やれやれ、移動編成を考えますかね」

それが一番重要なことだった。危険なのは、動くその時なのだから。名前や性質が変わろうと、根本は変わらない。守護をするための軍、防衛軍として犠牲者が出ない最高の任務(プラン)を練らなければならない。


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