21: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2018/05/19(土) 00:10:58.56 ID:hcHhCdieo
『ん……?』
気が付けば俺は教会の椅子に座っていた。周りを見渡すと少し大人になったアイドルのみんな。神父さんの前には白いスーツを着た男が立っていた。顔まではわからなかったけど、背はモデルのように高い。誰かの結婚式なんだろうか。そう思っていたら扉が開いてウェディングドレスを身にまとった新婦が父親に連れて歩いて来る。拍手とおめでとうの雨の中、彼女ははにかんだように笑って手を振る。
『美穂――』
目があった彼女は優しくも寂しそうに一瞥してそのまま歩いていく。新郎と新婦、お似合いだねだなんて声が聞こえた。
『ああ、そうか――』
これが本来、俺たちのあるべき姿だったんだ。神父がわざとらしいカタコトで2人に愛の誓いを問い、ステンドグラスから射す光を浴びた2つの影がひとつに……。
『〜〜♪』
厳かな空間をぶち壊すようなバリバリのロックサウンドが教会に響き渡る。誰もが俺に呆れたような視線を向ける。携帯の電源切っておきなさいよ、と誰かが言う。俺は電話の電源を切り居づらくなって教会を出ようとする――。
『――さん! プロデューサーさん!』
俺を呼ぶ声に導かれて意識は覚醒していく。
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