15: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/05/28(月) 18:52:18.72 ID:eC2l/XLI0
ぼくは、あなたのファンです。
彼はそう言いたかった。
けれどもできずに、苦しそうに呻くだけだった。
向井拓海はふんと鼻を鳴らして、彼にデコピンをかました。
そして呆気に取られる彼を余所目に、
昏倒している長髪を車外に放り出した。
「ちょっと疲れたから、駅の近くまで乗せてけ」
何事もなかったように、向井拓海はドアを閉めた。
ワゴンの窓にはヒビが入り、サイドドアは赤く染まっている。
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