31: ◆BCjH.6d5ig[saga]
2018/06/18(月) 22:11:16.83 ID:7JdAkTJJ0
 だがその時、丸にはその文字の変化よりも余程重大な事態が降りかかっていた。 
  
 丸の足が強力な接着剤で貼り付けられたように床に固定され、動かなくなっていることに気がついたのだ。 
  
 「ちょっ……、足がっ!」 
  
 説明を求めて左手を見ると、そこには 
  
 ぼうぎょふぇいずにはいります。 
 こうしゅのたちばがぎゃくてんするだけなので、とくにせつめいはありません。 
  
 としか記されていない。 
  
 丸が嫌な予感と共に目の前の"でくにんぎょう"を見ると、それは関節を軋ませながらゆっくりと動き始めていた。 
  
 「え……、何これっ! ………誰か見てるんでしょ、ふざけないで! 止めて、ギブアップ………、くそっ、"こうげき"っ」 
  
 誰かに助けを求めても、"こうげき"の言葉を叫んでも、丸を取り巻く状況は一切変化しない。 
  
 そうしている内に"でくにんぎょう"が、不意に右手を振り上げる。 
 そして丸に拳を………、ぶつけて来ることは無かった。 
  
 "でくにんぎょう"が軽く握り締めた右手の中から、丸がダイスを出した時のような光が漏れ出す。 
 丸はよく見てみると、"でくにんぎょう"の右手の甲にも文字が刻まれていることに気がついた。 
  
 1d-5 
  
 "でくにんぎょう"が手の中から青いダイスを地面に転がした。 
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