自衛艦隊これくしょん3―おおすみ、出航します!―
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25:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:39:10.55 ID:y+HZEnIj0

総監「自衛隊は創設以来、自ら日陰者であらんと思って行動してきた。国民に配慮し、諸外国に気を使い、出来るだけ、可能な限り目立たないようにしてきた。だが、それは間違いだった」

 総監は私の方を向きながら、私を見ていませんでした。遠くの何かを見つめていました。

総監「災害や有事は、どれほど起きるなと願っても起きるときは起きる。その時、国民が頼れるのは私たちだけだ。それなのに、『ごめんなさい、準備ができていないのであなたたちを救えません』と言うことは、絶対に許されない」

 それは、強い決意の言葉でした。

総監「だから、私たちは守るべき国民からどれほど非難されても、国民を守るために必要なことを行う。万が一事が起こった時に、人々を、この国を救えるように、だ」

 総監の視線が、私の元に帰ってきました。

総監「おおすみ、君はこれからの海上自衛隊を象徴する艦だ。君の持つ輸送能力と揚陸能力は絶対に必要なものだ。君の空母のような形状も……、これからのために、必要なんだ」

おおすみ「総監……」

総監「おおすみとLCACには苦労をかけていると思う。私には、君らの愚痴を聞くぐらいのことしかできない。だけど、何を言われても自信を失わないでくれ。君はいざとなれば、たくさんの人々を救うことが出来る艦娘なんだから」

おおすみ「……総監は」

総監「……どうした?」

おおすみ「……総監は、経験がおありなんですね? 『準備ができず、人々を救えなかった』経験が」

 総監は一瞬黙りました。そしてぼそりと言いました。

総監「……3年前、神戸でね」




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