【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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453:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/27(金) 02:23:01.36 ID:AGdfprM60
「いずれ? いずれってどういう事? 今すぐじゃないの?」

「何を焦っている? と言うか、今、この状況でそんな話をしても、なんかもう、あれだろうが」

「私は構わない。だから聞かせろ、岡部」

「だが断る。言ったはずだぞ? 何事もタイミングが命だと」

「でも……」

「いいのか? 俺の主観のそこかしこに、『トゥットゥルー☆』が大量発生しても? 忘れるなよ。今そこでミシンを使っているのは、タイミングの申し子なのだ。ポイントポイントで、的確に放り込んでくるぞ? それでもいいのか?」

 俺の淡々とした口調に、紅莉栖は「うう〜」と唸り、そして「じゃあ、場所を変えて」などという代案を提出する。

「だから、どうしてそれほど急ぐ? 時間ならいくらでも……」

「明日、帰る」

「だとしても、事を急ぐ理由には……」



 ──そこで、俺の思考が止まった──



『今、紅莉栖はなんと言った?』

 はっきりと聞こえた紅莉栖の言葉に、壁に預けていた背中が微かに浮きあがる。

『帰るとは……どういう意味だ?』

 意味など、その言葉を聞いた一瞬で、想像できた。だがしかし、そんな想像を理解し、飲み込む事はためらわれ──

「ほ……ほう。このラボを帰る場所などとは、見上げたラボメン精神だな、助手よ」

 俺は紅莉栖の言葉を意図的に湾曲させ、口にした破綻だらけの解釈に、みっともなくすがり付く。
 そんな俺に、紅莉栖は言う。

「違う。アメリカへ帰る」

 淡々と告げる紅莉栖の声が、俺のすがり付いていた物を、あっさりと粉砕した。

『……アメリカへ帰る』

 その言葉を、胸のうちで繰り返すと、頭の中が、大きく歪んでいくような錯覚を覚える。そんな自分に活を入れるかのように、独白する。

『バカか俺は。これしきの事で、なにを動揺している。初めから分かっていた事ではないか』



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