1: ◆6x79oqdrbDOF[sage saga]
2018/07/05(木) 01:07:29.14 ID:a363b6qL0
※地の分多めです。
ex14.vip2ch.com
こっちが前作となります。よろしくお願いします。
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2: ◆6x79oqdrbDOF[sage saga]
2018/07/05(木) 01:08:28.92 ID:a363b6qL0
じー。
隣で筆を揮う提督を見つめる。
3: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:09:17.17 ID:a363b6qL0
提督は今迄、私を主力艦隊へ据え続け数多の海域を攻略してきた。
初めは彼の事を、只の物好きの変な男と考えていのだけれど、長い間共に戦っていると嫌でもその人となりが分かるものだ。
4: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:10:04.09 ID:a363b6qL0
それにも拘わらず、彼と私の距離はお世辞にも近いとは言えなかった。
なぜなら
5: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:10:43.76 ID:a363b6qL0
提督がこちらを見てきて私と目が合う。
初風(何か用かしら、提督)
6: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:11:33.63 ID:a363b6qL0
初風「きいてるの!?ねえ、提督ったら!妙高姉さんに言いつけるわよ!?」
提督「ふふっ...悪かったよ初風」
7: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:12:31.49 ID:a363b6qL0
雪風姉さんは私と違ってとても素直だし、可愛げだってある。
彼女の明朗快活な性格は誰彼構わず人を呼び寄せ、彼女自身も他人の懐へ上手くもぐりこむ。
8: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:13:22.52 ID:a363b6qL0
最近、提督の様子がおかしい。
普段なら彼は昼休みは執務室で愛読書を読んでいたり、私に一言告げて間宮さんの店へ足を伸ばすのだが、最近はこの時間になると
9: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:14:37.99 ID:a363b6qL0
提督をつけ始めて早5分、彼が露骨に誰かに後をつけられていないか注意している事が分かった。
先程から無意味に同じ道を行ったり来たりしているからだ。
10: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:15:43.43 ID:a363b6qL0
彼は鎮守府の裏まで来ると、草の茂みの前でそわそわし始めた。
その姿はまるで恋人を待ちかねているかの様。
11: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:16:27.34 ID:a363b6qL0
回れ右をした私の耳に提督の声が聞こえた。
やはり提督は誰かと会っていたのだ。
12: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:16:56.08 ID:a363b6qL0
提督「よーしよしよし。あーーー!かわええなおまえなああああああ」
猫「ニャー」
13: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:17:39.29 ID:a363b6qL0
その日の夕方、私は提督からの頼まれ事で鎮守府の離れにある工廠へ来ていた。
初風「じゃあ、伝えましたからね」
14: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:18:10.83 ID:a363b6qL0
初風「...おいで」
手招きをすると、それに応えるようにこちらへ這い出してくる。
15: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:18:50.62 ID:a363b6qL0
初風「私もあなたみたいに甘えられたらな」
仰向けになった猫のおなかを撫でながら、一人ごちる。
16: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:19:26.23 ID:a363b6qL0
その声の主はいつの間にか、野良猫の隣に立っていた。
初風「あ、貴方は!」
17: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:19:59.09 ID:a363b6qL0
エラー娘「おっと、そんなに怖がらなくてもいいじゃないか。別に君を取って食う訳じゃないんだ」
彼女はセーラー帽子を触りながら、無駄に渋い声で私に語りかける。
18: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:21:16.30 ID:a363b6qL0
エラー娘「どうして甘えられないのかい?」
初風「それは...私が提督に甘えるのはおかしいのかなって。」
19: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:22:05.32 ID:a363b6qL0
...ちがう。私の知っている彼は何時だって私の傍に居てくれた。
私が彼の目を見て話せなかった時も、ちゃんと話を聞いてくれた。
20: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:22:37.20 ID:a363b6qL0
初風「あ、あの!」
エラー娘「?」
21: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:23:09.15 ID:a363b6qL0
初風「あーもう!分かんなーいー!」
エラー娘からの助言を受けた私は、自室に戻ってすぐに計画を練りだしたのだが、早くも頓挫しかけていた。
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