1: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/08(日) 17:36:11.69 ID:wh4JBXu80
オーク族が暮らす村に、不幸な一家がありました。
父親であるオークは姫騎士と関わり、私を殺せとせがまれ続けてノイローゼにかかり、床に臥せるようになりました。
母親はその看病をしながらも、「人間の女に唆されたダメな亭主」として周囲のオークに詰られる日々です。
一人息子であるオークは、そんな親を見ながら育ち、人間に、とりわけ姫騎士という存在には決して近づかないように決めたのでした。
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2: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/08(日) 17:41:11.67 ID:wh4JBXu80
しかし、運命とは避けえないもの。
少年オークは出会ってしまったのです。
これからの運命を大きく揺るがす存在に。
3: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/08(日) 17:48:25.02 ID:wh4JBXu80
少年が一人前と認められると、村を襲いかねない人間と戦うべく訓練をします。
訓練とはいえ実践であり、敵意を持った人間を相手に戦闘を行うため、負傷も死もあり得る過酷なものです。
オーク母「これが初の出陣ね。頑張っていらっしゃい!」
4: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/08(日) 18:05:26.70 ID:wh4JBXu80
老オーク「おい、おまえさん」
オークが村から出て、戦闘集団との合流地点へ向かうとき、一人の老いたオークが話しかけてきました。
オーク「どうしました?」
5: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/08(日) 18:27:22.17 ID:wh4JBXu80
少年オークが戦闘集団に合流しました。
そこには、屈強な青年から魔法を使える賢そうな中年まで様々なオークがいました。
オーク「これからどこへ戦闘を仕掛けるんです?」
6: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/08(日) 18:48:44.30 ID:wh4JBXu80
ロード「我が名を呼べ。恐れ奉れ。あらゆる善を討つべく現れ出でよ。」
目の前に召喚されたのは巨大な竜でした。
ロード「少年、供することを許す」
7:名無しNIPPER
2018/07/08(日) 19:00:14.97 ID:wh4JBXu80
ロード「帰還だ。明日からは小うるさい諍いから解放されるだろう」
少年は竜の背中で見る光景に心を奪われて、ロードの言葉に半ば夢うつつで首肯したのでした。
また竜が飛びたち、その風を切るスピードにうっとりとしながら、魔導士たちのところへ戻りました。
8: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/08(日) 19:32:49.58 ID:wh4JBXu80
今回はここまで。
書きためはないので疎らな更新になります。
9:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 21:26:35.79 ID:g2B4esARO
もうスレタイでオチが見える
でも読んでしまう不思議
乙
10: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 06:12:14.98 ID:ApRGfkc30
数日後の朝――――
オーク父「ようやく起きてきたな、寝坊助め」
目が覚めて食卓へ向かうと、父親が新聞を読みながら待っていました。
11: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 06:43:36.78 ID:ApRGfkc30
ところ変わって、近隣の王国の城にて―――
姫「どうしてオークなんかに怯えて暮らしているのかしら! あんな汚い奴ら、根絶やしにすべきなのに!」
王「こら、口汚く言うものではない。一国の王女たるにふさわしい言動と所作を日頃から」
12: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 07:00:55.95 ID:ApRGfkc30
村人A「あの壁を越えてきたかと思ったら、作物の一部と娘を奪って逃げて行ったんです!」
姫騎士「そいつらはどこへ?」
村人A「動向を探っていた猟師は、南の森に走っていくのが見えたと言ってただ。姫様、どうか娘を助けてくれねぇべか!?」
13: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 08:55:02.91 ID:ApRGfkc30
ほぼ近衛兵がゴブリンを倒し、倒れている娘を助け出し、一行は外へ出てきました。
従者「いかがでしたか? 思いのほか無事なようですね」
娘を一瞥し、姫騎士に声を掛けましたが、姫騎士の目は怒りに燃えているようでした。
14:名無しNIPPER[sage]
2018/07/09(月) 09:26:55.82 ID:i7kLGePEO
蘭子「混沌電波第161幕!(ちゃおラジ第161幕)」
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蘭子「混沌電波第162幕!(ちゃおラジ第162回)」
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蘭子「混沌電波第163幕!(ちゃおラジ第163回)」
15: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 09:28:04.37 ID:ApRGfkc30
オークの村―――
こんこん、と少年オークの家の扉を叩かれました。
オーク「だれ?」
16: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 09:33:49.15 ID:ApRGfkc30
夕刻になり、従者が馬車で迎えに来ました。
従者「見つかるとまずいことになる。早く乗ってくれたまえ」
オークの両親にとって、今生の別れのようにさえ思われているようでした。
17: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 09:49:35.52 ID:ApRGfkc30
従者「お腹は空いていないかね? ビスケットでも食べるか?」
オーク「夕飯は食べてきたから、いらないよ」
少年オークは、馬車の窓から見える光景を見ながら、竜の背中に乗っていた時のことを思い出していました。
18: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 10:13:19.92 ID:ApRGfkc30
姫騎士がおもむろに剣を抜き、少年オークに襲い掛かりました。
従者が止めるより先に、オークは懐に携えた小型の斧で応戦したのでした。
戦闘経験がある姫騎士の剣を咄嗟に弾く姿を見て、従者は昔オーク父が姫騎士を下した瞬間を思い出しました。
19: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 10:58:18.20 ID:ApRGfkc30
従者は王に事情を話し、姫騎士とオークと自分の三人だけで話をさせてほしい旨を伝えました。
王妃に見つからないように使用人の部屋を使うことになり、そこで従者を交えて対話をすることになりました。
姫騎士「オークなんてゴブリンと同じようなものでしょ? 野蛮だわ」
20: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 13:34:29.82 ID:ApRGfkc30
夜になり、誰もが寝静まったころ―――
少年オークはすることもないので、辞書を引いては眺めると繰り返していました。
そんな折、戸が叩かれる音がしました。
21: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 14:11:39.82 ID:ApRGfkc30
朝になり、朝食を呼ばれていくと、姫騎士だけが座っていました。
姫騎士「そこに座りなさい」
使用人によって椅子が引かれ、オークには少し小さい椅子に腰かけると、朝食を運ぶ召使いがやってきました。
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