16:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:03:33.27 ID:BaVBKbuC0
 ■一二三 
  
 「インタビューありがとね。一二三ちゃん」 
 「いえ、他ならぬ大宅さんの頼みですから」 
  
17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:04:30.85 ID:BaVBKbuC0
 今回のインタビューの内容は、ずっと取りたかった、女流タイトルを獲得したからです。 
 相手は、苦手としていた有名な女流棋士。勝てたのは、本当に奇跡みたいな物でした。 
 私は、以前と何も変わりません。 
  
 一つ、変わったとすれば、母親になりました。 
18:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:06:32.21 ID:BaVBKbuC0
 「それって、彼のこと言っている……?」 
 「はい……」 
  
 あっ……しまった。これがインタビューだということを忘れていました。 
  
19:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:07:05.19 ID:BaVBKbuC0
 ■一子 
 「や、双葉ちゃん」 
 「なんだよ、一子」 
  
 行きつけの喫茶店の看板娘。小柄で、眼鏡をかけた小さな女の子。 
20:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:07:36.44 ID:BaVBKbuC0
 双葉ちゃんに頼んだのは、仕事の簡略化の為。 
 やっぱ、記者とママの二人三脚はきつい。 
 双葉ちゃんに、手伝って貰って、大分、楽になったけどね。 
  
 「はい、いつもの」 
21:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:08:24.52 ID:BaVBKbuC0
 しかし、相変わらず細いわね 
 ビール腹の私は、羨ましい限り。ちゃんと食べているのかしら? 
  
 ん?でも、お腹の方が膨らんでいる… 
 はあ…ん 
22:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:08:56.83 ID:BaVBKbuC0
 忘れてた。 
 双葉ちゃんの彼氏のこと。 
 あの、背が高くて、頭が良くて、悪役っぽい笑顔が可愛い、あいつ。 
  
 双葉ちゃんの彼氏は、性欲絶倫で、女好きの女たらしの、種馬だった。 
23:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:09:35.50 ID:BaVBKbuC0
 「いつぐらいなの?」 
 「五週目…」 
  
 「大学はどうするの?」 
 「通信制だから大丈夫」 
24:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:10:06.16 ID:BaVBKbuC0
 ■双葉 
  
 「先生!!」 
 「双葉ちゃん、奇遇ね」 
 ちょっとだるい感じのするこの女は、私の高校時代の先生だ。 
25:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:11:17.88 ID:BaVBKbuC0
 私は、時々不安になる。あいつが、私から離れてしまうんじゃないかと、思う時がある。 
 だから、私はあいつの望むことは、何でもさせてやりたくなった。 
 あいつは、私の子供を欲しがった。 
  
 世話になった惣治郎に、孫を見せてあげたいって言ってきた。 
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