北沢志保「名前と嫉妬と独占欲」-SS速報VIP

北沢志保「名前と嫉妬と独占欲」

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7:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 22:51:32.69 ID:Hx0WAh3I0

「……ねえ、静香。前から気になっていたのだけど」

　志保が口を挟んだ。静香ちゃんは私の手を握ったまま、私の左に
座る志保を睨む。

8:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 22:54:05.95 ID:Hx0WAh3I0

「許可って……貰ったことないけど」

「そういえば、静香ちゃんは初めて会った時から私に
　タメ口だったなー。朋花さんには敬語なのに」

9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/11(水) 22:57:34.34 ID:Hx0WAh3I0

「……年下かと」

　志保が椅子を蹴って立ち上がって、パーテーションの向こう側へと
消えていった。

10:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 23:01:28.16 ID:Hx0WAh3I0

「…………普通に失礼じゃない？それ」

「おかえり、志保。志保もそんなに笑わなくてもいいでしょ」

11:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 23:05:42.56 ID:Hx0WAh3I0

「謝罪は必要よね」

「そうだねぇ……」

12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/11(水) 23:08:03.90 ID:Hx0WAh3I0

「いいのよ。私は許可貰ったから」

　志保がドヤ顔で言い放った。がばっと勢いよく私のほうを向く
静香ちゃん。

13:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 23:10:14.77 ID:Hx0WAh3I0

「私は気にしてないって。本当に本当。むしろ、いつも通りの
　ほうが嬉しいかな」

「そこまで念押しされると、かえってウソに聞こえます……」

14:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 23:12:49.91 ID:Hx0WAh3I0

「ありがとうございました、百合子さん」

「だからいつも通りでいいって！」

15:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 23:17:04.99 ID:Hx0WAh3I0

「「……はぁ」」

　私と志保のため息が重なった。予期せぬ来訪者にどっと疲れたのは
お互いさまであったと知ると、志保は口に手を当てて笑い始めた。

16:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 23:21:33.60 ID:Hx0WAh3I0

　私と志保のあいだには、一つ、共通の秘密があった。私と志保は、
先日お付き合いを始めたのだ。

　恋人という言葉の恥ずかしさと、同性という少しのうしろめたさ。

17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/11(水) 23:24:27.22 ID:Hx0WAh3I0

「それは……そのとき、考えます」

　志保は右に視線を切った。逃さない。席を立って、彼女の頭を
両手で抱くように抑える。

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