20:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 17:58:23.45 ID:TXxgAIfuO
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  私がそれを知ったのは、ほんの偶然でした。 
  
  午前の日曜礼拝を終えたのち、私は神父様を探していました。午後の礼拝に私が出席する必要があるかどうかを訊ねるためです。 
  
  聖堂内には姿が見えず、教会二階にある神父様の私室の扉を叩いても返事はなく、外庭を見下ろしても白い祭服は立っていません。 
  
  ふたたび一階に降りて、何とはなしに、裏口の方へ足を寄せました。 
  
  すると声が耳に届きます。セイラムの、珍しくも沈んだような声色でした。 
  
 「……参りましたね」 
 「……参ったな」続いて、神父様の低い声が聞こえました。 
  
  目的のひとは見つかった。 
  
  と、そこまではよかったのですが、その彼と、彼女の雰囲気は控えめに言ってもよろしくありませんでした。すぐに出て行くことはできず、意図の外側で私は息を潜めていました。 
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