10: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/15(日) 21:53:05.37 ID:ema8T1+O0
彼女はアンチョビだ。認めるしかない。
一体何が起きているのか俺には理解できないが――特徴的な髪の色、声質、語り口、姿形、知識。全てが全て、彼女がアンチョビであると示している。
一片の曇りもない。
試しに「ちょっとそのウィッグ取ってくださいよ」と言ってみたらノータイムで「地毛だ!」と返された。感動した。
「アンチョビさん。ファンです。握手してもらって良いですか」
「え、ええっ!? 今更か! し、仕方ないなあ〜」
俺の言葉に応じて握手してくれるアンチョビは、とてもサービス精神旺盛だ。嬉しい。
「アンチョビさん、そこに座って待っててください。とりあえず飲み物買ってきますから。部屋のものにはあんまり触れないでくださいね。あぁ、漫画ならいくらでも読んでてくれて構わないですよ」
「飲み物を買ってくる? わざわざ買わなくても、わたしは何でも構わないぞ」
「この家には酒とチェイサー用の水しかないんですよ」
「そうか……生活習慣を改めた方が良いと思うぞ」
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