8: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/07/16(月) 22:27:03.08 ID:/aS1s4K/0
○
「嬉しい? 何が?」
「おかえりって言われると、ただいまって感じになってもらえることが」
「なんで?」
「行ってらっしゃいとおかえりって挨拶は、意識的に言うようにしてるんだけど」
「そうなんだ」
「で、ね。凛はどっか行く前に家の人に行ってきますって言うだろ?」
「うん」
「それはだいたい玄関なわけでしょ。まぁ、凛の場合は家がお店だから、シャッターくぐって出たりとか様々ではあると思うんだけど」
「そうだね。家を出るときに言う……かな」
「まぁ、つまり。それと同じことができたらなぁ、って考えがあってさ」
「同じこと?」
「そう。アイドルとしての凛の玄関になれたらいいな、って思って」
「……思ってたより深いね」
「俺だって意外と考えて喋ってるんだぞ」
「ふふ。でも、そうだね。なんとなく納得したかも」
「納得? 何が?」
「ひみつ」
きっとその策略は成功していて、プロデューサーのもとに戻ったときの、あの言い知れぬ安心感はそういうことなのだろう。
ずるい、と思った。
24Res/16.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20