43: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 08:05:54.14 ID:+QmI8LWq0
 「ごめんなさい!」 
  
 まゆは咄嗟に謝った。 
 プロデューサーは自分の頬を両手でぎゅうと歪ませて、潰して、言った。 
  
 「やだ」 
  
 まゆはソファから飛び出して、リビングを脱出した。真っ直ぐに玄関へ。 
  
 だが内側のドアには、チェーンが3つに増えていた。鎖が外界を完全に閉ざしていた。 
  
 まゆは踵を返す。すぐに2階に駆け上がり、トイレに入り、鍵を閉める。 
  
 携帯を取り出す。 
 誰に連絡する?  
  
 警察、はできない。 
 たぶんカメラは、プロデューサーがシロクマの頭をくり抜いて埋め込んだものだ。 
  
 だとすれば、ここで警察を呼んでもまゆの不法侵入の件が取り沙汰にされる。 
  
 いや、誰を呼んだとしても。 
  
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