103:名無しNIPPER[sage]
2018/08/05(日) 08:39:14.59 ID:I8H5SeUjo
 こういうの久しぶりに見た 
 いいねぇやっぱり 
104:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 14:06:07.64 ID:xYguyNQm0
 -門前仲町・蒲原祖父母宅- 
  
  
 「再生するっすよ?」 
  
105:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 14:07:11.29 ID:xYguyNQm0
 画面を凝視しながらモモちゃんが鋭く言う。 
 『今』、映ったようだ。モモちゃんの言うところの照魔鏡、タイミングを見計らうような発声から察するにそれが映るのはコンマ数秒のことなんだろう。 
  
 「やっぱりダメみたい、なーんにも見えないわ」 
  
106:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 14:08:15.97 ID:xYguyNQm0
 煙のほうのジェスチャーは正直あまり伝わってこないけれど、そこまで把握する必要はない。大事なのは、宮永照が他家を観察するとき相手の背後に鏡が現れる、それを知れたことだ。これで今までの説明がつく。 
  
 宮永照と話していたときに感じた気配はこの鏡だった。 
 彼女の監察能力は私と同様に麻雀以外でも使用が出来るらしい。 
 咲を彼女に会わせる算段が、ことごとく不発に終わったのは私の内面が見られていたからだろう。 
107:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 15:56:05.07 ID:xYguyNQm0
 気づけなかった、足音でもしたんだろうか。こちら側から開けられたドアの向こうには確かにゆみともう一人、この家の主の孫にして使用を承諾してくれた人物、蒲原智美が立っていた。 
  
 「ワハハー、ナイスモモ。ちょうど両手がふさがってたんだ」 
  
 「あ、お茶持ってきてくれたんすね。ありがとうございます」 
108:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 15:57:54.68 ID:xYguyNQm0
 そして内心でつっこむ私に代わり、というわけではないけどリアクションが声に表に出てしまったモモちゃんが言うことを言う。 
  
 「蒲原先輩も参加っすか?」 
  
 「なんだか面白そうだからな」 
109:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 15:58:41.63 ID:xYguyNQm0
 「うーん。でも、場所を借りておいてこう言うのもなんだけど蒲原さん、今回はちょっと外してもらえないかしら」 
  
 「……残念、ホントにダメなのか」 
  
 後輩に言われてもどこ吹く風という態度だった蒲原さんだが、今度はガックリと肩を落としてみせる。 
110:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 16:00:32.27 ID:xYguyNQm0
 「まあ、戻ったらうちの部員に聞いてみてメールするわ。最悪あのホテル、龍門渕さんもいるから詳しく聞けそうだし」 
  
 「あんまり高いのは無しにしてもらえると助かるぞ、お互いの財布のためにもなー」 
  
 紹介というのは一緒に行くのも含まれていたみたいだ。それだけ言い残し蒲原さんが部屋を離れ、モモちゃんがゆみの座っている二人がけのソファにつく。 
111:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 16:04:31.36 ID:xYguyNQm0
 「そうね。じゃあ手始めにプランA、優希が私と卓に入る案から。宮永照が東一局で相手の打ち筋を見る能力なら、そのアトバンテージは同じ相手と戦えば戦うほど薄れていくことになる。その点、優希は一度戦ってるから最適なはず」 
  
 「あー、なるほどっすね」 
  
 一方から納得と感心の入り交じったような声が上がる。しかし他方、ゆみはそうはいかなかったらしく思案したさまで唸っている。 
112:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/10(金) 16:07:55.59 ID:xYguyNQm0
 「そうか」 
  
 「でも、これはゆみも承知のことだろうけど昨日までの特打ちで、優希はさらに強くなってるわよ」 
  
 「ああ、わかっているがそれはともかく……じゃあ久、君個人は? なにか対宮永照の打ち方とかあるのか」 
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