川島瑞樹「ミュージック・アワー」
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8: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:50:27.69 ID:Ai+XpKnp0
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川島瑞樹は、初めて346プロダクションに足を踏み入れた。

ヨーロッパの豪奢な古城を模した外観。内部は現代風にアレンジされている。

瑞樹は鼓動が高まりを感じた。

緊張してる。何年ぶりかしら。

コツ、コツとヒールの音がホールに響く。

来た。来てしまった。
やれるのかしら。やるしかないわ。

受付の女性に声をかけると、すぐに別の職員が現れ、丁寧な対応で会議室まで案内された。
ドアを開けると、中には346プロダクションの人間がいた。

瑞樹の視線が、そのうちの1人に吸い寄せられた。

片桐早苗。

「やっほー、奇遇だね!」

なんの気負いもなく、彼女は瑞樹に声をかけた。

「まったく奇遇ね。ここにはよく遊びに来るのかしら?」

「閉じ込められてるんですよ〜」

「ふふっ」

瑞樹ははっとした。いつもの自分なら、出先でこんな会話はしない。



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