巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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121:逆転の人 ◆SxyAboWqdc[saga]
2018/08/27(月) 21:00:52.89 ID:MWohMAcL0
白銀「もうこの学園には、私たち二人だけ」

白銀「随分減っちゃったなぁ……地味にビックリだよね。これだけの人が死んで、私たちはまだ生きてる」

天海「……そうっすね」

白銀(そこから起こるすべての悲劇も知らず、二人とも笑顔だった)

白銀(……あのときの空、曇ってたけど、明るかったな。赤以外でまともに見る、地味だけど優しい色彩)

白銀「……ねえ。天海くん。約束だよ?」

天海「?」

白銀「次の学園生活……絶対に私を――」






白銀「忘れないで。忘れても、きっと思い出してね」

天海「……うん。約束っすよ。次にどんなことがあっても俺たちはもう友達っすから!」ニカッ

天海「だから……安心して……安、心して……!」

天海「……ごめん。キミを、助けられなくって……死んでいったみんなのためにも、今を生きてる俺たちだけでも生きなきゃダメだったのに」

天海「俺は……俺、は」ポロッ

白銀「……」

白銀「うん。安心した」

天海「……?」

白銀「私たちは仲間のために泣けるんだよ。だからさぁ……嘘、だよね。どちらかがこの学園の首謀者になっちゃうとかさ」

白銀「絶対に嘘だよ……嘘に決まってる」

天海「……」

白銀「ごめん。天海くんが泣いてるのならさ、私はせめて笑ってないとダメなのにさ……!」

白銀「二人とも泣いてたら、二人とも役立たずじゃない? どっちかは真っ直ぐ立ってないと……」

白銀「……ううっ」ボロッ

天海「もう……いいんじゃないっすかね。二人して泣いても」

天海「強いから生き残れたわけじゃない。ただ運が良かっただけなんすから……!」

天海「……■■さん」ザザッ







白銀(……私には名前がない)

白銀(覚えているのは前の学園での才能。『超高校級の模倣犯』)

白銀(全体的な容姿すら、前の学校のときとは大分変わっているはずだ)

白銀(だけど、もはやそんなものに意味がない。私はもう、誰でもない)

白銀(……思い出されるべき名前すら失ってしまった)


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