巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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519:逆転の人  ◆SxyAboWqdc[saga]
2019/07/28(日) 20:23:27.40 ID:ldYnDayo0
アンジー(行かないで。一緒にいて。まだアンジーと遊んで欲しい)

アンジー(包み隠さないアンジーの本音は、そう叫んでいる)

アンジー(……でもその本音の中に、アンジーの本当の本当の本当の本音がある。弱さからくる叫びじゃない)

アンジー(彼の背中をずっと見てきたから得た、強さがそこにある)

アンジー(アンジーの強さは……アンジーの望みは……!)

アンジー「……すうううううううっ……!」






巌窟王「……!」

巌窟王(足りない! まだ、これでも間に合わない! このままでは……!)

「負けないでッ!」

巌窟王「!」






アンジー「お前はアンジーのサーヴァントなんでしょ! ならアンジーの望みを叶えてよ!」

アンジー「勝って! ぶち壊して! 隔てるものが何もない綺麗な青空をアンジーに見せて!」

アンジー「恩讐の果てに何があるのか、このアンジーに見せてよ!」

アンジー「エドモン・ダンテス――!」

巌窟王「……!」




――ガチリ。

頭の中で、小気味良くそんな音が聞こえた。
すべてのピースが揃ったパズルか、百年越しに動いた古時計の歯車のような。




????「身体が軽い……」

????(初めて名前で呼ばれた)

????「……」



そう。彼女こそは超高校級の美術部にして、とある復讐のサーヴァントのマスター。夜長アンジー。
彼女が自らのサーヴァントの名前を間違えるなどありえない。ならば、そこにいるのはきっと復讐の完遂を目論む鬼ではなく。



エドモン「……クハハ」



幸せな結末へ直走る、復讐劇の果てに『人』へ戻った男。エドモン・ダンテスでしかありえない。



エドモン「クハハハハハハハハハハハハハハハハ!」


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