巌窟王「これは、嘘で世界を変える物語だ」 アンジー「あなたの名前は――」
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アンジーとあなたのための物語
◆SxyAboWqdc
[saga]
2020/02/01(土) 09:42:13.39 ID:c/mEDpnF0
地面がある。空がある。星のような光がある。でもそれ以外は特になにもないような場所だった。
道はないし、方角もいつの間にか狂うし、目印を付けたとしてもそこまで戻ることができない。
一体、どのくらい歩いたのか。さっぱり思い出せない。ていうかそろそろ心が砕けそうだ。疲れた。
なんとか足を動かせるのは、胸の中にあるキラキラした思い出たちのお陰だろう。
無限に歩き続けていれば、理論上は確実に会えるはずとか言える場所じゃない。
無限に広い場所かもしれないんだから、無限に歩いても永遠に見つからないかも。
「……?」
なんか、凄く大きな黒い竜を見つけた。スケッチとか、これをモデルに彫刻とかしてみようかなーと一瞬思ったが、やめた。
ここを歩いていればたまにある奇妙なオブジェクトの一つだ。生きてはいるんだろうけど、どうでもいい。
「会いたいなー」
この言葉も何百回言ったか。何千回かな。何万回か。
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