モバP「よっしゃ、暇だし精神病院でも行くか!」
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2018/08/13(月) 13:37:20.64 ID:HMtJrIR90
  厚顔無恥。自分の常識を他人に押し付けるタイプの悪人。本人自身が気付いていない悪である。いわば真の偽善者。そういう人間である。 
  というか、精神の病気は肉体で例えるならば骨折も同然である。骨折したまま日常生活などまともに送れない。黙って病院に行ってギプスをハメるなり、相応の処置が不可欠である。そのままにしていると、症状が悪化することもある。とにかく、少しでもやばいと思ったらとっとと精神科を訪ねたり、カウンセリングを受けてみることが大切である。 
  
 P「大変ですね、美優さんも」 
  
10: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:37:47.67 ID:HMtJrIR90
 女性「Pさーん」 
  
 P「あ、呼ばれましたので、お先に」 
  
 美優「はい。行ってらっしゃい」 
11: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:38:17.71 ID:HMtJrIR90
  先生は染みのついた壁を見せた。どうやら、ロールシャッハテストらしい。とはいえ、シンプルに左右対称の染みではない。おそらく別の意図があるのだろう。 
  
 先生「どのような染みに見えますか?」 
  
 P「そうですね……雨、みたいですかね」 
12: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:38:47.80 ID:HMtJrIR90
 先生「ところで話は変わるんですが……この宇宙って、どんなカタチをしていると思いますか?」 
  
 P「宇宙、ですか?」 
  
 先生「はい。どんな答えでもいいです」 
13: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:39:23.97 ID:HMtJrIR90
 P「薔薇、ですか」 
  
 先生「宇宙は薔薇のカタチをしているんです。幾重にも層になって、花弁が重なっている。そうしたら、その薔薇は少女の元へ送り届けられる。ガラスの靴と一緒にね。バケツの馬車に乗って、塔のてっぺんを目指すんです」 
  
 P「ということは、薔薇は世界なんですか?」 
14: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:40:09.60 ID:HMtJrIR90
 P「でも、床には落第者が棲みついているでしょう? 天井には神かネズミが棲みついています。つまり、世界は薔薇で、虫と少女が棲みついているのです」 
  
 先生「ふむ。となると地球は朝露か何かでしょうか」 
  
 P「でしょうね。バケツの底に溜まった汚水みたいなものですよ」 
15: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:40:38.31 ID:HMtJrIR90
 ちひろ「Pさん!?」 
  
 P「おや、ちひろさんもですか」 
  
  待合室に戻ると、ちひろさんがいた。今日は緑色のジャケットは着ていないようである。暑いし仕方ないだろう。 
16: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:41:04.93 ID:HMtJrIR90
 ちひろ「ところで、私のジャケット知りませんか?」 
  
 P「さあ、知りませんね」 
  
 ちひろ「美優さんに聞いたら、Pさんが持って行ったと聞いたのですが」 
17: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:41:30.50 ID:HMtJrIR90
 P「そういえば、美優さんはどこへ?」 
  
  診察室は一部屋しかないはずである。廊下も一本しかないため、すれ違いになったとは考えにくい。 
  
 ちひろ「もう帰っちゃったみたいですよ」 
18: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:41:58.41 ID:HMtJrIR90
 ちひろ「というか、有給取ったのにこんなところに来ないでくださいよ」 
  
 P「こんなところって……」 
  
  酷い言い草である。もっと良い病院に行け、というツンデレだろうか。そうに違いない。 
19: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/13(月) 13:43:07.98 ID:HMtJrIR90
 P「宇宙ってどんなカタチをしていると思います?」 
  
 ちひろ「はい? 宇宙ですか?」 
  
 P「宇宙はね、薔薇なんですよ」 
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