8:名無しNIPPER
2018/08/14(火) 23:43:20.92 ID:NMclZV9GO
   たびをつづけるロボットくんは、ある時ユメをみました 
   ロボットであるかれがユメなんてものをみるのはありえないのですが、なぜかきょうこのときだけはロボットくんはユメをみたのです 
  
  
 「わぁ、キレイだなぁ」 
  
 ユメのなかのせかいは、そらいちめんにホシが輝いています 
  
  
 『やぁ、キミがロボットくんだね』 
 「あなたはだれですか?」 
  
 『だれ、か。  フム、残念ながらまだ名前を明かすことはできないんだ。  ボクはつい我慢ができなくなってキミの物語に『夢』という形で割り込んだ迷惑なファンだからね。  夢である以上、キミにはなにも残せないんだよ』 
 『まぁそもそもボクは夢魔であり人でなしだからね、夢から何かを奪うことはあっても夢に何かを残すことはしたことがないしできないんだ』 
  
  
 インキュバス、となのるしろいせいねんのことばはロボットくんにはよくわからないものでしたが、ユメというものは整合性がないとききますし、それにこんなにキレイなホシゾラをみてたらそんなことはどうでもよくなりました 
  
  
 『ところでキミは、これからどこに行くんだい?  あぁ、夢の中ではなく、キミが生きる現実の話だよ』 
 「それはもちろん、たすけをもとめるひとびとのところです。  そのつぎのもくてきちも、そのつぎのもくてきちもです」 
  
 『ハハハ。  キミの冗談は面白くないね。  そんな事をしていたらキミの旅は終わらないじゃないか』 
 「いえ、その、おはずかしいはなしなのですが、じつはボク、旅のおわりをさだめてはいないのです 
    なにをすればおわりなのか、どこにいけばゴールなのか、そういうのをきめずにでてきたものですから」 
  
 『オイオイ、何だいそれは?  普通そういう事は旅立つ前に決めておくものさ。  キミの旅は実のところ始まってすらいない。  始まっていないものには終わりもない 
    キミのやっている事はつまりーー」 
  
 しろいせいねんは、夜空のホシにゆびをさしてーーー 
  
  
 『歩いてあのホシまで行きましょうというようなものじゃないか』 
  
  
  
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