10:名無しNIPPER[saga sage]
2018/08/26(日) 19:47:26.22 ID:AjZNc/jR0
あれから季節が一周して今に至ります。
その間にもいろいろなことがありました。
ライラちゃんと二人で同じお仕事を頂いたり、少ないお休みを合わせて遊びにいったり。ライラちゃんのお父さんに日本にいることがばれてしまったり。
顔を合わせることは少なかったですけど、お互いを高め合うようないい関係だったと思っています。
そんなことを考えていると、お店のドアがカランコロンと鈴の音を鳴らしながら開きました。
手元の腕時計は待ち合わせの5分前を示していました。
ドアの方に目を向けると、待ち焦がれたその相手がいました。
ライラちゃんはよっぽど急いで来たのか、肩で息をしながら店内を見渡しています。
ソファーから立ち上がってライラちゃんに軽く手を振ると、目が合いました。
いつもみたいに小走りで駆け寄ってきます。
でも、少しスピードが速いような……
そのままの勢いでライラちゃんが私の胸に飛び込んできました。
「どうしましたかライラちゃん、今日は甘えん坊さんですね」
「カエデさん…… カエデさん……!」
ライラちゃんは私の名前を呼ぶばっかりで、なかなか離してくれません。
お客さんもあまりいないので、少しくらいはいいですよね。
私もライラちゃんの背中に腕を回して、もう片方の手で頭を撫でてあげます。
しばらくすると、ライラちゃんも落ち着いて離れてくれました。さすがにずっとこのままは恥ずかしいですね。
テーブルに向かい合って座って、二人分の紅茶を注文しました。
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