92:1[saga]
2019/06/05(水) 14:56:54.96 ID:A6uH0Nqv0
「なあ巧…お前もそうなんだろ…」
「なんだよ。どうかしたのか光太郎さん。」
「この際だからハッキリさせたい。お前も俺と同じなんじゃないのか。」
光太郎は真剣な表情で巧にそう問いかけた。
そのことを問われて巧は思わず光太郎から目を背けてしまう。
確かに光太郎の言う通りだ。
「ああ、俺はアンタの言うように普通の人間じゃない。」
「やはり…けどそれならどうして…」
「何でさっきは戦わなかったのかって?恐かったからさ!」
「それは敵の怪人たちが…ではなくて…自分が恐いからだな。」
何もかもが光太郎に見透かされて巧はつい気恥ずかしさを感じてしまう。
別に巧が悪いわけじゃない。これは光太郎も一度は通った道だからだ。
「そうさ。ずっと恐かった。」
「ガキの頃に死にかけて妙な力に目覚めた。」
「けど力を使ったことは一度もない。もしも使ったら後戻り出来ないような気がしてな…」
これは恐らく誰にでもわかるような悩みではない。
光太郎でも巧の悩みに対して正解な答えなんて出せやしないだろう。
何故ならこれは巧自身の問題だ。
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