女友達『それは要するに、ヤキモチを焼いたのよ』
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2019/01/06(日) 23:44:13.76 ID:NVRX8yZB0
「なんで彼氏作らないの?」 
  
 なんてことを友達にしょっちゅう聞かれる。 
 その度に茶を濁すのは、けっこー疲れる。 
 真っ先に口をつく理由は、機会がないから。 
 恋人が爆誕するようなイベントに恵まれない。 
 それでも相手が納得しない場合は、こう言う。 
  
 「付き合うって、よくわかんないから」 
  
 クリスマスにかけて急増した大勢のカップル。 
 そいつらを眺めていると、不思議で仕方ない。 
 どうやって、相手を選んでいるのだろうか。 
 それが気になって、ちょっと聞いてみると。 
  
 「えっ? 告られたから、断る理由もないし」 
  
 なるほど。そうきたか。さっぱりわからん。 
  
 「もともと、付き合う気はあったの?」 
 「ちょっとはね」 
 「ちょっとって……ちょっとでいいの?」 
 「いいんじゃない? 今、すごく幸せだし」 
  
 ああ、そうですか。末永くお幸せに。畜生。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/06(日) 23:47:42.87 ID:NVRX8yZB0
 「じゃあ、ちょっと質問を変えるわね」 
 「何?」 
 「彼氏が欲しいとは思わないの?」 
 「すごく幸せになれるなら、是非とも」 
  
3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/06(日) 23:49:59.56 ID:NVRX8yZB0
 「悪い。先、帰っててくれ」 
 「あ、うん」 
  
 近頃、男友達の付き合いが悪い。 
 独りでトボトボ帰宅するのは、寂しい。 
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/06(日) 23:52:14.91 ID:NVRX8yZB0
 「あ、もしもし? 実は、かくかくしかじかで」 
  
 不安になった私は、女友達に電話してみた。 
  
 『なるほど……それはズバリ、恋ね』 
5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/06(日) 23:54:38.14 ID:NVRX8yZB0
 「よう。昨日は悪かったな」 
 「っ……気に、しないで」 
  
 翌朝、いつもの調子で声をかけてきた男友達。 
 私は前髪で泣き腫らした顔を隠しつつ。 
6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/06(日) 23:57:12.10 ID:NVRX8yZB0
 「いや、だから、何回も言わせないでよ……」 
  
 物分かりの悪い男友達。本当に勘弁して。 
 こっちがどんな想いであんな恥ずかしい台詞を口にしたか、ちょっとは考えて欲しい。 
 しかし、先述した通り、我々は個別の自我を持って生きているわけで、意思疎通には言葉によるコミニュケーションが必要不可欠だった。 
7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/06(日) 23:59:51.75 ID:NVRX8yZB0
 「ごめん、ちょっと考えさせて」 
  
 とりあえず、シンキングタイムだ。熟考する。 
 男友達は別に付き合ってるわけではなかった。 
 クリスマスに告白され、それを振ったらしい。 
8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/07(月) 00:03:04.91 ID:6HhU37jU0
 「そ、そうか!」 
 「うん……だから、私は今、幸せ」 
 「それなら、良かった」 
  
 ほっとした様子の男友達に、質問してみる。 
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/07(月) 00:25:34.95 ID:6HhU37jU0
 おまけ 
  
 「さて、覚悟はいい?」 
 「考え直すつもりはないのか?」 
 「ない」 
10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/07(月) 00:27:15.38 ID:6HhU37jU0
 「おしっこかけるかもって、言ったわよね?」 
 「言われたけどさ……」 
 「じゃあ、口閉じて。飲んだら犯罪だから」 
  
 犯罪と言われ、慌てて口を噤む彼氏。従順だ。 
11:名無しNIPPER[sage]
2019/01/07(月) 00:51:49.24 ID:91qmEzfso
 すげぇいいぞこれ! 
 おつおつ 
12:名無しNIPPER[sage]
2019/01/26(土) 07:37:09.67 ID:Xfs/mbbOo
 またお前か 
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