【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第四章【天華百剣】
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33: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/03/13(水) 22:02:11.39 ID:q3DsNQzG0
女将の呟きの断片には『再来』という言葉があった。それは、虎徹が若に対して抱いていた懸念と同じものだ
つまりは、『元主と同じ死に方をしてはならない』ということ。何を意味するかは、付き合いの短い俺でも理解できる


禍憑を斬り祓う巫剣ですら、絶望に身を堕とす


『錆憑』になりかけた城和泉を、俺は既に目の当たりにしているのだ
虎徹がもう一度、同じ条件で誰かが死ぬのを目撃してしまえば……その先は想像に難くない


( T)「……」


俺は女将の言葉に直ぐに答えられなかった。死なない人間なんていねえし、そもそも殺し合いに行くんだから、そんな場面に遭遇してしまう可能性は高い
当然、死にに行く気はさらさらねぇし、虎徹が錆憑になっちまうなんて考えたくもねえ。だけど、『あり得ない話では無い』


( T)「……」


矛を掲げ、眺める。『刀』が魂を持ち、剣士として顕現するこの世界では、『そうでない武器』も、ある程度の『魂』って奴を持ち合わせているのかもしれない
俺達の世界だってそうだ。艦娘だって元は『艦』。人の手によって生まれ、人の手によって戦うモノに変わりない
改めて、『縁』を感じた。艦娘や巫剣、深海棲艦に禍憑、提督に巫剣使い。世界が違えど、似通う部分が多い
そう言った意味では、俺は『武器』や『兵器』の魂と近い存在なのかもしれない
現に、一目惚れしたこの矛は、虎徹が抱え込む苦悩を生んだ物の『一部』だ

俺はオカルトもファンタジーも嫌ってほど体験した。だからこそハッキリと断言出来る



矛は、彼女を救う為に『俺』を選び、呼び寄せたのだと



( T)「……」



なら、俺は呼びかけにこう返す他無い。矛に向けて、女将に向けて。そしてあの世の『元主』に向けて



( T)「『任せろ』」






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