ロビンマスク「自由と!」カレクック「繁栄の弧!」
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9:名無しNIPPER[sage]
2019/03/17(日) 18:25:52.87 ID:24ViWVvS0

欧州に斜陽が差して久しい。 

経済状況が停滞する中、各国を取り巻くは混迷の度合いを深めていた。


英国はその欧州の中でさらに孤立しつつある。

反面アジアの国々は日の出を経て、真昼の輝きを放つようになっていた。


かつて宗主国と植民地であった両地域の関係は逆転しつつある。

勝利と敗北、搾取と隷属がこれからも繰り返されていくのだろう。 それでも。



「自由と繁栄の弧は、英国まで延ばされている」

「あのお人よしがいる国から延びているからな」



ふたりの脳裏に、あの『お人よし』の愛嬌のある顔が浮かぶ。

ふたりともがあの超人オリンピックにおいて死闘を繰り広げたあの男。



「そうだな。 …まあ、あいつにはここに来てもらいたくないものだが」

「はは、この国の牛たちには災難だとしか言いようがないな」

「まったくだ、牛乳をガンジス川いっぱいにしぼっておかなくてはなあ」



ふたりは互いの肩を叩きながら大きく笑いあった。 正義と残虐、西洋と東洋、浅黒い肌と白皙の肌。

なにもかにもが対照的な二人。 それでもふたりは、よく似通った部分も持っていた。

              テクニシャン    ベテラン
互いの陣営を代表する技巧派、そして熟練レスラーであること。

超人レスリング・社会活動に取り組む姿勢。



そして ─────────



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