【バンドリ】白鷺千聖「フィクション」-SS速報VIP

【バンドリ】白鷺千聖「フィクション」

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18:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:19:32.97 ID:9ZUEfJgu0

　楽屋に引き返しても、みんなはまだステージの熱が身体中に残っているようで、思い思いにあの場所で得た感動を言葉にしていた。

　私はやっぱりそれを一歩引いた場所で見ていた。あそこに近付けば、きっと光に影が差してしまうから。

以下略 AAS

19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:20:13.55 ID:9ZUEfJgu0

「っ！」

　この温もりが、心地よさが、つまらないもので汚れてしまう。そう思って、反射的にイヴちゃんを突き飛ばしてしまった。

以下略 AAS

20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:21:04.66 ID:9ZUEfJgu0

◆

　私は何がしたかったのだろうか。私はどうしたかったのだろうか。

以下略 AAS

21:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:22:06.82 ID:9ZUEfJgu0

「今日は千聖さんとジブンだけですね」

「ええ、そうね」

以下略 AAS

22:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:23:10.17 ID:9ZUEfJgu0

「……千聖さん。この前のライブの件なんですけど」

　二人で音を合わせ終わり、休憩をしている時だった。麻弥ちゃんは何か意を決したようにその話題を口にして、私は表情が少し引きつるのを自覚した。

以下略 AAS

23:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:24:17.24 ID:9ZUEfJgu0

「……知ってるんです」

　そんな私の思いをよそに、今度は俯いた麻弥ちゃんは、風に吹かれて消えそうな震えた声を吐き出した。

以下略 AAS

24:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:25:52.93 ID:9ZUEfJgu0

　麻弥ちゃんが顔を上げる。泣きそうな、悔しそうな顔をしていた。

「だから……お願いです。そんな顔は……無理なことかもしれませんけど、せめてジブンの前では……そんなに辛い顔で、無理矢理笑わないでください」

以下略 AAS

25:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:26:59.71 ID:9ZUEfJgu0

　私の心の中にあったのは絶望だった。

　もう終わりだ。

以下略 AAS

26:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:28:07.51 ID:9ZUEfJgu0

◆

　その日から、白鷺千聖という人間の価値は希薄になってしまったのだと思う。

以下略 AAS

27:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:28:45.98 ID:9ZUEfJgu0

　もう笑えないけど、それでも無理矢理笑って、みんなには何ともないように接する。

　けれどやっぱり私の仮面にはもう修復不能なヒビが入ってしまっているらしい。

以下略 AAS

28:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/19(火) 18:29:27.61 ID:9ZUEfJgu0

　……そんな日々を送っていたからだろうか。事務所から、正式に私に休養命令が下された。

　女優の白鷺千聖に舞い込んだ仕事も、パステルパレットの白鷺千聖に与えられた仕事も、全てが白紙になった。学校も大事をとってしばらく休むようになった。

以下略 AAS

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