速水奏「お父さんあっ」
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6:名無しNIPPER[saga]
2019/03/23(土) 18:28:19.90 ID:WXZGVs7k0

短いその一言が、小出さんに気付かせてくれました。
いつしか自分が、彼女を遠い世界の住人だとばかり思い込んでしまっていたのだと。
奏ちゃんも本当は、先生をお父さんと呼んでしまったりもする、一人の女の子なのだと。

こんな時、友人としてどう振る舞うべきなのか。
小出さんには分かりませんでした。
しんと静まり返った教室の中で、奏ちゃんは手を挙げたまま固まっています。
さらさらの髪の間から覗く、形の良い彼女の右耳が、僅かに色付いていくのが分かります。


今、ツッコミを入れられるのは小出さんだけでした。
奏ちゃんの左に座る小曽根さんも、奏ちゃんの後ろに座る扇谷さんも。
残念ながら奏ちゃんや小出さん達のグループには属していません。
この状況で言葉を掛けられるのは、やはりただ一人、小出さんだけなのです。


すぅ、と、小さく息を吸う音が、前の方から聞こえました。



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