加群「鏡の向こうの」
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4:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:12:02.44 ID:pOwoTKMWo

「君は、今からその臆病者に教えを受けることになる」

 そして、その暗闇――彼女が彼を恐れないのは、知らないからだ。
 他者の命を弄ぶ一方で、実感としての死を知らない。死んだことがないから、分からない。
 だからそれを教えてやる。彼女自身の体で、彼自身の手で。
 ここまでして全てを明るみに引きずり出そうとする一方で、自身は暗がりに身を隠す心性。総じてその臆病さ。
 それを強引に拭い去る。

「案ずるな、すぐに終わる。そして賢い君なら分かるはずだ」

 これまでも幾多の後輩を分からせてきた彼には、それは容易い作業でしかない。
 何の懸念もなく子供達の先生であり続けることと比べれば、この程度のことなど。



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