理樹「来ヶ谷さんを恥ずかしがらせたいなぁ」恭介「それだ!!」
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14:名無しNIPPER[saga]
2019/04/21(日) 22:12:30.87 ID:BJSAzJq30
数十分後

理樹(しばらく僕にツッコミどころしかない品物を見せ終えた恭介達は、そろそろ飽きたのかそれぞれ自分の興味がある物を好きに物色していた。自由すぎる……)

理樹「まあプレゼントは本来僕が探さないといけないんだけどね……おっ」

理樹(そんな時、店の隅に陳列されていた棚の中に小ぶりの時計が並べられてあった。大きさからして女性用だろう。僕がその時計に目を引かれた理由はその使ってある素材だった)

理樹「木製の時計か……」

理樹(デザインはそこまで凝ったものでもなかったが、ベルトから竜頭に至るまで全てが木製というこだわりようは僕の購買欲を掻き立てるには充分だった。値段もそこまでしないのでこれならなんとか恭介の助けを借りずとも買えそうだ)

鈴「理樹」

理樹(ちょうど店員さんを呼ぼうと振り返ると、そこには鈴が立っていた)

鈴「もう買うものは決まったのか?」

理樹「うん、決まったよ」

鈴「ふーん」

理樹「……?」

理樹(鈴はそう聞いてもその場を動こうとはしなかった。僕の背は店の角なので鈴が退いてくれないと動けないのは分かっているはずなんだけどな)

理樹「ど、どうかした?」

鈴「いや……」

鈴「来ヶ谷はプレゼント買って貰えるんだなー」

鈴「あたしは何もないけどなー」

理樹(どんな感情なのか読み取り辛い声でそうポツリと言った。なるほど、とぼけ方が恐ろしいくらいに下手だけどそのおかげでよく分かった。鈴はプレゼントを羨ましがっているのか)

理樹「……あっ、鈴、ごめん。ちょっとその後ろの」

鈴「?」

理樹(鈴に避けてもらって、その奥に飾ってある"モノ"をスッと掴んで鈴の前に持ってきた)

鈴「猫だ!」

理樹(それは猫の形をとったポーチだった。材質は硬いが、どうやら革で作られているらしく、手触りがとてもいい)

理樹「鈴、これ買ってあげようか」

理樹(僕がそう言うと鈴は今日ずっと崩さなかった暗めの顔から一転、目を輝かせて微笑んだ)

鈴「いいのか!?」

理樹(僕もそれに応えるように微笑む)

理樹「今日はお金を多めにおろしたからね。特別だよ」

鈴「やった」

理樹(それから雑貨屋を後にして5人で晩御飯を外食で取り、家に帰るまで鈴はずっとご機嫌だった。あの猫のポーチもプレゼント冥利につきるだろう)


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