芽衣子「忘れものを取りに行こう」
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27: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:10:12.75 ID:ggin5fGOo


 * * * * *


以下略 AAS



28: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:10:52.09 ID:ggin5fGOo

「聞いていいのかわからないけど」

「そう言うってことは聞きたいんでしょ?」

以下略 AAS



29: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:12:02.14 ID:ggin5fGOo

 キッカケはなんだったっけな。思い出そうとしてもこれってわかりやすいものはなくて、拾ったものを消去法で減らしていくと最後に残ったのは、予定が合わなくなって自然消滅、なんてありきたりなものだった。だんだんと連絡の頻度が減っていって、意味もなく気まずくてこっちから連絡することもできなくなった。そして私はアイドルになって上京したわけで、物理的な距離も遠くなってしまったという。

「そういうところもあったんだな」

以下略 AAS



30: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:12:34.26 ID:ggin5fGOo

「それだけ大切ってことだろ」

 真っ黒なコーヒーを持って帰ってきたプロデューサーの言葉に「大切?」って聞き返して「相手のことを」



31: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:13:38.65 ID:ggin5fGOo

「そりゃそうだよ。高校からの友達って貴重だもん」

「俺も何人いるか」

以下略 AAS



32: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:14:14.05 ID:ggin5fGOo

「え?」

「そういえば、ちょうど一ヶ月後にぽっかり予定空いてたな、一週間くらい」

以下略 AAS



33: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:15:32.61 ID:ggin5fGOo

「それができたら苦労しないってばー!」

「結局は行動しないとどうも変わらないだろ」

以下略 AAS



34: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:16:21.34 ID:ggin5fGOo

「いやでも、すっごい雑じゃない?」

「そんなもんだよ、諦めろ」

以下略 AAS



35: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:17:17.11 ID:ggin5fGOo

 しばらくそんなことを繰り返していたら、机の上に置いてたスマホが突然振動し始めた。長い振動音でこれが電話だっていうことがすぐわかった。ひっくり返すとその画面にはずっと連絡がなかった、ついさっきまで話題に出してた名前が表示されていて、胸の奥の奥が誰かにぎゅって掴まれたような気がした。なんてタイミングだろう。偶然にしてはできすぎ、まるで仕組まれてたみたい、ってそれこそ被害妄想か。プロデューサーはいつの間にかいなくなってて、相変わらず志乃さんは寝たまま、もしかしたら起きてるのかもしれないけど、まぁそれはいいや。

 ええい、ままよ。決心してスマホを持った。

以下略 AAS



36: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:18:12.90 ID:ggin5fGOo

 気持ち間があってから耳に届いたのは、胸をなでおろしたようなゆるいため息と少し湿った声だった。

『よかった。番号、変わってなかったんだ、ね』



37: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:21:25.22 ID:ggin5fGOo

「そっちだって、変わってないじゃん」

 喉奥に熱いものが詰まったみたいな感覚があった。出していいのか、それとも出しちゃダメなのかわからなくて、ごくんと息を飲んだけど、まだそこにあるみたいだった。

以下略 AAS



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