15: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2019/05/21(火) 23:08:00.82 ID:C8qGmYAwO
週明けの朝を穏やかな気分で迎えられた試しはない。たとえ何も起こらず平穏なまま時間が経っていったとしても不安は拭い去れない。
登庁してまもなく、彼が執務室でパソコンを起ち上げながら湯のように薄いコーヒーを飲んでいると制服姿の男がふらりと入ってきた。
ひょろりとしたその男は階級こそ彼と同じだが海軍内でのキャリアは遥かに長く、年齢も上だ。まだ四十をいくらか越えただけなのに髪はほとんど白くなり、大きいわりに神経質な色をたたえた目はいつも不健康そうに血走っていた。
人事将校であるこの男がわざわざ朝の早い時間に来るだなんて。おまけに片手には二、三枚のクリップボードを持っている。ろくな報せでないことは簡単に想像できた。
「おはようございます。こんな時間にどうしましたか?」
「あぁ、おはようございます。夕立、まだ出てきてないですか?」
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