76:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:33:34.30 ID:YWfCY9A20
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「今日も来ない……か」
相変わらず頼りない蛍光灯の明かりに照らされた教室で、沙綾はぽそりと呟いた。
机の上に目をやれば、そこには一週間前に自分が書いた文字が並んでいる。今日も、その隣に返事はやって来ていない。あちらの沙綾との連絡は、先週から途絶えたままだった。
そのことをPoppin'Partyのみんなに伝えると、最初こそ「そういう日もある」というようなことを全員が言っていた。だけど返事がやって来ない日々が重なると、不安の色をだんだん顔に滲ませていった。
唯一の連絡手段である机上のやり取り。入れ替わってしまった沙綾との繋がり。それがなくなってしまったのではないか、と思っているのだろう。
(でも……そういうわけじゃなさそうなんだよね)
自分が書いたメッセージの隣。そこには何かを書こうとしたのか、ペンを机に押し当てたような跡が見受けられた。だから繋がり自体はまだあるんだと沙綾は思っていた。
ではどうして未だに返信が来ないのか、と聞かれれば、それはきっと沙綾自身の問題のせいだ。
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