【デレマス(デレステ)】黒埼ちとせ「私の望みは――」
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18:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 00:00:59.03 ID:1yh4+5ql0
1ヵ月後、ロケに向かう道中、社用車車内


千夜「……お前」

P「なんだ?」

千夜「なぜ、私一人で町歩きの番組に出る仕事なんてとってきたんです」

P「それが良い仕事だと思ったからだ」

千夜「お前の目は節穴ですか? 私のような価値のないつまらない人間が、町を歩いて食に対する思いを述べるなど、なんの得にもならないと思うのですが」

P「そう思うんだったら、目が節穴なのはお前のほうさ。まあ、自分のことを一番よくわかってないのは自分だという話だな」

千夜「どういうことですか」

P「確かに千夜は無感情な部分がある。だがな、リアクションというのが要求されるこの世界において、それを出さない出演者というのは目立つんだよ。だから注目される」

P「それに、お前は食レポに向いている。おそらく、いままで黒埼の家で良いものを口にしてきたからだろう。グルメ番組でお前ほど冷静に分析して語るヤツはいないさ。社交性もあるしな」

千夜「……そういう、ものでしょうか」

P「そういうものだ」

P「それにな、お前がつまらない人間だったらそもそも仕事なんてもらえないんだよ。そりゃあ、無価値でつまらない人間を番組に出してくれって言ったって門前払いだろうが、対偶で考えれば、番組に出してもらえるんだからお前は価値があるかつまらなくないのいずれかってことさ。まあ、アイドルとして悪くない、ってことだよ」

千夜「……」

千夜「……お前」

P「なんだ」

千夜「お前は、私のことをどう思っていますか」

P「は? どういうことだよ、それ」

千夜「あっ、いや、変な意味じゃなく! か、勘違いしてもらっては困る!」

P「勘違いも何も、お前が一人で勝手に盛り上がってるだけだろう」

千夜「〜〜〜〜!」

千夜「っ……その、最近、考えることがある」

千夜「私という人間は、何のために生きているのだろうかと」

千夜「もちろん、お嬢さまに忠誠を誓っている。お嬢さまにこの身を捧げることが私の生きる意味だと思っている」

千夜「それには、何の疑いもない……でも」

千夜「お嬢さまという存在なしで、私という人間を語ることが、果たして出来るのだろうか、と」

千夜「このアイドルという仕事……お嬢さまのついでではじめたのがきっかけですが、VelvetRoseとして出演する仕事じゃない限りは私とお嬢さまは離れ離れ……」

千夜「私自身、ここまでお嬢さまと一緒じゃない時間を過ごすのははじめてなのです」

P「そういえば、ちとせが遠方のロケで1週間泊まりだったこともあったな」

千夜「あのときは気が気でなかった……お嬢さまの家で帰りを待つあの感じは、なんというか、違和感の塊でした」

P「お前もなかなか受け入れてくれなかったからな。ちとせの体調が安定していないのは俺にだってわかっている。あの時はどれだけ万全の体制でスタッフを送り込んでるかまで丁寧に説明してようやくお前を説得できたからな」

千夜「当たり前です。信用に足る環境でなければお嬢さまをそこに置くことなどできません」

P「まあ、それを決める権利は、お前にはないけどな」

千夜「っ……」

P「あいつだって……まあ、ヤワではあるが、お前が心配するほどではないと思うぞ――って、こういうことを言うと、「お前に何がわかるのですか」って言われるのかな?」

千夜「見透かしたような言動は好きではありません」

P「でも、プロデューサーだから、見透かそうとはする。それがプロデュースする上で欠かせないプロセスだからな」

P「千夜は、さっき、ちとせの存在なしで自分はどのように語られるのかと言ったな」

P「俺は、千夜のことをちとせなしで十分語れる。それで千夜をドン引きさせる自信だってある」

千夜「いきなり何を言い出すのかと思えば……」

P「これだけは言っておこう。俺は、千夜ひとりに取ってくる仕事の営業のときには、ちとせのことは一切言及しない」

千夜「!」


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