【エヴァ】シンジ「すべてを受け入れようと思う」
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17: ◆o6rtSmOlPg[saga]
2019/05/29(水) 14:37:29.74 ID:PM9H0cD60
シンジは突然目を覚ました。そこは、赤い光によって不気味に照らされた、隔離施設のような部屋だった。シンジが目覚めたのは、その中に置かれた無骨な装甲で被われているベッドの上だった。
慌ただしく駆けていく足音と、ストレッチャーの車輪がきしむ音とが、廊下に響き渡る。シンジの目覚めたベッドは、何者かによってエレベーターに乗せられて、どこかへ移動しているようだった。
「心肺機能は正常です。四肢の麻痺も認められません。ハイ。目は開いてます」
シンジの直ぐ近くで、若い女性の声が聞こえる。その女性は、仰向けになって天井を見上げているシンジの視界を覗き込むようにして、シンジに声を掛ける。
「私の言葉が理解できますか?」
若い女性は、褐色の髪にベレー帽を乗せ、首に青いスカーフを巻いた格好をしていた。表情はまだあどけなく、女性というよりは女の子と言った方がしっくりくる容姿だ。
シンジは、状況が理解できないという風な怪訝な表情を向けながら、彼女に質問を返した。
「ここは……どこですか?」
「言葉は話せます。意識は戻ったようです」
ベレー帽の女の子は、その質問には答えずに状況報告に務める。彼女は、シンジの寝ているベッドの横に座り、通信機器で外部と連絡を取っているようだった。
この場所が病院でないことは容易に想像が付いた。なぜなら、シンジの両手、両足はベッドに拘束され、ベッドの四隅に銃を構えた軍人らしき男達が立っていたからだ。
「確か……綾波を助けて……」
シンジは過去の記憶から今の状況に繋がるまでの道筋を探そうとしていた。
「はい……どうやら記憶の継続性も認められます」
ベレー帽の女の子は、シンジの様子を見て通信先の人物に彼の状態を伝えてゆく。
「あの……綾波は?」
シンジは、まだ半分寝ぼけたような声色でベレー帽の女の子に問いかける。
「これが誰か、わかりますか?」
ベレー帽の女の子はシンジの質問を無視して、彼の顔を被っているディスプレイを反射モードに切り替えた。
「……僕、ですけど……」
シンジは、自分の顔が反射して映るディスプレイを自信の無い表情で眺めながら言った。
「自己認識もあります。問題なさそうです」
ベレー帽の女の子は、シンジの反応だけを観測して淡々と報告を続ける。
「……なんだ?」
シンジは自分が置かれた状況を一切把握できなかった。その横では、機械的にシンジの状態を確認するベレー帽の女の子の声が聞こえていた。
「尿意や空腹感はありますか?」
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