【ラブライブ】希の誕生日の祝い方-SS速報VIP

【ラブライブ】希の誕生日の祝い方

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1: ◆pg9V7AxzXU[sage]
2019/06/12(水) 16:06:19.31 ID:A7Z1OFCJ0
　自分の誕生日にウキウキする人ってどのくらいいるのかな。

私は親以外に誕生日を祝ってもらったことが無い。

６月って案外微妙だよね。

どんなに素敵な出会いがあっても、誕生日を祝ってもらえるようになるまでには時間がかかる。

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2: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:08:16.55 ID:A7Z1OFCJ0
高校３年生の誕生日も、ただその日一日が過ぎるように、カレンダーを捲るように過ぎ去ってしまった。

（別に、期待した訳じゃないんよ。）

期待してないって言えばウソになる。

3: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:09:12.92 ID:A7Z1OFCJ0
両親からは、朝一でメールが来てた。

遠く離れて暮らしてるんだから、仕方ないよね。

「それにしたって、誰か一人くらいウチの誕生日に触れてくれたって良いやん？」

4: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:09:52.89 ID:A7Z1OFCJ0
音ノ木坂を卒業してからも、ちょくちょくみんなとは会ってる･･･気がする。

決して疎遠になった訳じゃないと思いたい。

とは言え、今日は平日。

5: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:10:18.98 ID:A7Z1OFCJ0
「希。」

「希ちゃん!」

「うわあっ！」

6: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:11:19.83 ID:A7Z1OFCJ0
「どどど、どうしたん？家の前で待ち伏せなんて。」

「どうしたのなんて、水くさいですよ。希。」

「そうだよ！今日は希ちゃんの誕生日にゃ！」

7: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:11:52.03 ID:A7Z1OFCJ0
「覚えていてくれたんやね～嬉しいなぁ。」

「当たり前では無いですか！」

「当たり前にゃ！」

8: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:12:18.66 ID:A7Z1OFCJ0
「あー、でもウチこれから大学の講義なんよ。」

「えぇ、判っています。」

「そんなの織り込み済みだよ。」

9: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:13:01.11 ID:A7Z1OFCJ0
「時間は取らせません。」

そう言うと、海未ちゃんが何故か上半身をはだけさせる。

「今日だけ、ですよ。」

10: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:14:25.59 ID:A7Z1OFCJ0
「う、ウチの事からかってるん？」

努めて笑顔を崩さないように、何とか絞り出した言葉も二人は意に介さない。

「さあ、希。」

11: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:15:35.43 ID:A7Z1OFCJ0
「ちょちょちょ、ダメやん。それはダメなやつ！」

軽く混乱しながら、私は二人を振り払って走り出した。

今までにないくらいの勢いで階段を駆け下りると、そこにはエリチとにこっちがいた。

12: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:16:12.60 ID:A7Z1OFCJ0
よかった･･･。

その時の私は、味方の登場に安堵して、なぜ彼女たちがここにいるのかを気にする余裕は無かった。

「エリチ！にこっち！助けて！」

13: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:16:41.98 ID:A7Z1OFCJ0
「オカシイってどういう事？」

「どうもこうも、海未ちゃんと凛ちゃんが･･･。」

そう言おうとして、固まる。

14: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:17:07.88 ID:A7Z1OFCJ0
「ｑあｗｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ」

声にならない声を出し、私は二人から離れる。

「あら、絵里、にこ、来ていたのですか？」

15: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:17:38.09 ID:A7Z1OFCJ0
「ちょっ、みんなどういうつもりなん？冗談ならタチ悪いよ！」

精一杯威嚇したつもりだったけど、そんな事は意味も無いとばかりに笑顔の４人がにじり寄ってくる。

「だって、今日は希の誕生日じゃない。」

16: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:18:05.01 ID:A7Z1OFCJ0
私は悪い夢でも見ているんだろうか。

「わ、私、そんなの望んでないから！」

そう言って、駆け出す。

17: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:18:39.91 ID:A7Z1OFCJ0
しばらく走ると、向こうも全速力で追いかけてくる･･･って事も無く、あっさりと引き離すことができた。

何処にも４人の姿は見えない。

息を整えていると、背後から聞き慣れた声が聞こえた。

18: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:19:12.16 ID:A7Z1OFCJ0
振り向くと、そこには花陽ちゃんがいた。

無防備に歩み寄ろうとする花陽ちゃんに、一抹の不安を覚える。

「ちょっと待って！花陽ちゃん、これ以上近づかないで。」

19: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:19:45.49 ID:A7Z1OFCJ0
「いいから、それ以上近づかないで！」

そう言ったとき、背後から体を掴まれる。

「希･･･みぃつけた。」

20: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:20:15.05 ID:A7Z1OFCJ0
「もう、希ちゃんったら、私から逃げようとするなんてヒドイよぉ･･･。」

いつの間にか上半身をはだけさせた花陽ちゃんが迫ってくる。

「ひぃっ！」

21: ◆HUg149YDMA[sage]
2019/06/12(水) 16:20:55.60 ID:A7Z1OFCJ0
「もう、いい加減にしてっ！」

精一杯の力を込めて振り払う。

３人から距離をとり、キッと睨みつける。

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