トリエラ「本当にどうしようもない、わがままで馬鹿な人—」
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10: ◆b3.GfOf6h.[sage]
2019/06/14(金) 18:39:28.93 ID:G/vnc86U0

ヒルシャー「……君も変わったな」
トリエラ「何がです?」
ヒルシャー「以前の君ならこうやって食事に誘っても、絶対に来なかった。誰とも打ち解けようとしなくて……こんな事を言ってもいいかわからないが、担当官としてどうやって付き合えばいいのか、とても悩んだよ」
トリエラ「……実は別人ですよって言ったら、信じます?」
ヒルシャー「……どういう事だ?」
トリエラ「そうですね、すごく長い夢を見ていたというか……」

ヒルシャー「……面白い夢だね。ただそれは夢だよ。現実じゃない」
トリエラ「どうしてです?」
ヒルシャー「僕には正直、自信がない。ラシェル・ペローの遺志が実現したこの場所でも悩みが絶えないんだ。そんな、君たちを殺人の道具として使い潰すようなところだったら……僕は君に向き合えない。……それがわかった時点で耐えられなくて目覚める前に君を殺して、僕も死ぬかもしれない。いや、それも出来ず、君に向き合う事も出来ずに道具として扱ってしまうかもしれない。
……その夢みたく、最後まで向き合う事は僕にはできないよ」
トリエラ「……変わらないですね、でも、その夢では最後まで向き合って、腕や足が吹き飛んだ私を、抱きしめてくれたんです。自分も撃たれて血まみれなのに、ぎゅっと力強く」
ヒルシャー「……僕も、いいだろうか」
トリエラ「?」
ヒルシャー「君たち福祉義体の寿命はおよそ10年前後だ。君がいった「条件づけ」や投薬などはしないからその分のダメージはないが、それでも義体の脳負荷の問題からは避けられない。
勿論日々研究は続いているし、数年寿命が延びるかもしれないが……
……おそらく、僕より君の方が早く……」

トリエラ(そのあと、少し困ったようにいいよどんで、ヒルシャーさんは言った)

ヒルシャー「抱きしめるかはおいておくとして、最後まで側にいても、いいだろうか。その手を握っていても、いいだろうか?」

トリエラ(何と答えればいいのだろう、いや、勿論決まっている—)
トリエラ「……ええ、喜んで」




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