【ミリマスSS】ジュリア「2人で」静香「星に届くまで」
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19: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2019/06/15(土) 01:09:44.21 ID:RP7gZ/wj0

静香「すごいですね。ジュリアさんはここで腕を磨いて、今の素晴らしい音楽を作り上げたんですね」

キラキラとした目でシズがアタシを見る。憧れのスポーツ選手のドキュメント番組を見た小学生男子みたいだな。まぁ、シズはドリョクとかコンジョーとか好きそうだもんな。

ジュリア「いやいや、そんなカッコいいもんじゃないよ。はじめの頃なんて、誰にも聞いてもらえなかったし」

アタシはひとつひとつ記憶を紐解いていく。その中身を言葉にして、声にして、シズに聞かせる。

ジュリア「歌をな、誰かの心に響かせるのはとっても難しいんだ。慌ただしく時間はすぎて、時計の針やら誰かの足音やらで、アタシたちの音楽はかき消されちまう」

思い出す、あの頃の風景を。

アタシがどれだけ歌っても、どれだけ相棒を鳴らしても、目の前の人々は素知らぬ顔で素通りしていく。

足を止めている人も、アタシの歌を右耳から左耳へ聞き流しながら、誰かが来るのを待っている。

目の前にいる奴らにさえ、アタシの叫びは届かなかった。




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