244: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:22:22.08 ID:ob1y39C80
  
 「兄ちゃん、何生まれそうな声出してんの?」 
  
 「生まれないから困ってるんだよ」 
  
245: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:22:50.01 ID:ob1y39C80
  
 真美は二枚の紙きれをポケットから出す。 
  
  
 「兄ちゃん兄ちゃん、これなーんだ!」 
246: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:23:46.31 ID:ob1y39C80
  
 兄ちゃんの返事は、真美をさいだいきゅーにがっかりさせるものだった。 
  
  
 「悪い、用事が入ってるな……」 
247: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:24:12.37 ID:ob1y39C80
  
 でも兄ちゃんにも、色々と都合があるよね。 
  
 急に仕事入っちゃったのかもしれないし、友達と会ったりするのかもしれないし。 
  
248: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:31:51.49 ID:ob1y39C80
  
 「でも真美、なんか暗いかも。どうしたの?」 
  
  
 とりあえずさっきの発言は聞こえてなかったみたいで良かったぁ……。 
249: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:32:21.34 ID:ob1y39C80
  
 そう。 
  
 実は中学最後の夏には、真美のソロライブが決まってるのだ。 
  
250: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:32:47.90 ID:ob1y39C80
  
 「でも、ただでもらうなんて……」 
  
 「そんじゃ、今度遊びに行ったときに美味しいご飯食べさせてよー、やよいっちスペシャル!」 
  
251: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:33:14.87 ID:ob1y39C80
  
 そう思ったから、日曜は街に遊びに行ったんだ。 
  
 ほんとははるるんが、どこかに遊びに行こうって誘ってくれたんだけど。 
  
252: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:33:41.67 ID:ob1y39C80
  
 「……あれ?」 
  
  
 階段に座ろうとしたその時、視界の端に見慣れた人がいた。 
253: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:34:08.59 ID:ob1y39C80
  
 思い付いた名案を早速実行しようと思って、兄ちゃんを追いかけた。 
  
 距離はちょっと離れてたけど、走ればあっという間。 
  
462Res/282.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20