15:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:08:20.48 ID:qOvrccx90
  
 すると、小石はその場から消え失せ、 
 代わりにびちびちと、地面で跳ね回る金魚がそこに姿を現した。 
  
 僕はしたり顔で小林の頭を撫でた。 
16:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:08:53.78 ID:qOvrccx90
  
 裏庭に人がやってくることは滅多にない。 
 それは、このため池も関係していた。 
  
 不自然に建てられた歪つなフェンス。 
17:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:10:37.10 ID:qOvrccx90
  
 そういうわけで、僕は完全に油断をしていた。 
  
 そう。ここに人が立ち寄るなんて、滅多にないことなのだから。 
  
18:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:12:13.42 ID:qOvrccx90
  
 「なんでもないって言うのは無しだからね。 
  
 私、ちゃんと見ちゃったから。説明してもらえるかな。 
  
19:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:13:46.36 ID:qOvrccx90
  
 「ぜんぶ、見たのか?」 
  
 「うん。ぜんぶ、ね」 
  
20:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:14:22.63 ID:qOvrccx90
  
 蒼井はぽすりとベンチに腰をかけた。 
 その腕には包帯が巻かれてある。 
  
 「座りなよ、ここ」 
21:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:15:03.14 ID:qOvrccx90
  
 「どこ行くの?」 
  
 「帰るんだよ」 
  
22:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:15:36.56 ID:qOvrccx90
  
 僕は想像する。 
  
 突然、蒼井明衣の現れた僕のクラスは、 
 騒々しくなるだろう。 
23:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:16:14.50 ID:qOvrccx90
  
 僕は、どさりと彼女の隣に座りこむ。 
 すると蒼井は口角を歪ませて笑う。 
  
 「帰るんじゃなかったの?」 
24:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:16:42.59 ID:qOvrccx90
  
 「それで?」彼女は首をかしげる。 
  
 「なにが」 
  
25:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:17:39.01 ID:qOvrccx90
  
 「じゃあ、蓮見君。 
 そろそろ、さっきのことを説明してくれてもいいんじゃない。 
 まだ教えてもらってないでしょ。あれは、どうやってやったの?」 
  
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