4:名無しNIPPER[saga]
2019/06/18(火) 23:52:42.51 ID:2+eK45Jl0
  
 後は(3)で示した通り、念じるだけでいい。 
  
 僕は『入れ替え』を行使する。 
 するとどうだろう、僕の手元にはまっさらのアイスクリームが現れる。 
5:名無しNIPPER[saga]
2019/06/18(火) 23:54:21.07 ID:2+eK45Jl0
  
  *  
  
 「ねえねえ、ちょっと聞いてくれない?」 
 柏木さんはそう言って、にこやかに白い歯を見せる。 
6:名無しNIPPER[saga]
2019/06/18(火) 23:55:39.58 ID:2+eK45Jl0
  
 柏木さんは、先ほどよりもひとつ声のトーンを落とす。 
  
 「ほら、隣のクラスの蒼井さんだよ。蒼井明衣さん、知ってるでしょ」 
  
7:名無しNIPPER[saga]
2019/06/18(火) 23:56:51.11 ID:2+eK45Jl0
  
 そういうと、ふたりの男女は、こちらに顔を向けた。 
  
 「話聞いてたよな」 
 佐々木は誰にも好かれそうな好青年のような笑みを浮かべている。 
8:名無しNIPPER[saga]
2019/06/18(火) 23:59:21.46 ID:2+eK45Jl0
  
 「なんだそれ、うける」 
 僕の返答に佐々木は笑っていたが、 
 柏木さんの顔は強張ったままだった。 
  
9:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:02:32.14 ID:qOvrccx90
  
 蒼井明衣は、学内でも有名な女の子だった。 
 おそらく、良い意味でも悪い意味でも。 
  
 彼女は、人よりも際立って目立つ容姿を兼ね備えていた。 
10:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:03:53.81 ID:qOvrccx90
  
 彼女が包帯を巻いて登校するようになったのは、 
 たしか、梅雨入りのころはずだ。 
  
 実を言えば、僕は彼女と通学時間が重なっており、 
11:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:05:11.14 ID:qOvrccx90
  
  
 今では、彼女は「高嶺の華」という扱いを受けている。 
  
 最も、それは薔薇のようなものなのかもしれないけれど。 
12:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:06:00.15 ID:qOvrccx90
  
 「まあ、どうでもいいことだな」 
   
 僕は、裏庭のベンチに深く腰掛けた。 
 ここは日が当たることもほとんどないので、 
13:名無しNIPPER[saga]
2019/06/19(水) 00:07:11.88 ID:qOvrccx90
  
 「いいか、小林。コミュニケーション能力ってのは、 
 社会に出るためには、確実に必要になるスキルのひとつなんだ。 
  
 つまりは、僕はそういうのが欠落してんだろうな。 
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