7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/19(水) 23:26:47.08 ID:ikHTZENWO
「なにはともあれ、元気になって安心したよ」
まったく、結局いつも通り、からかわれた。
それでも、あまり悪い気はしない。
彼女が元気になってくれて、本当に良かった。
「実はそんなことないんだけどね」
「へっ?」
そんなことないとは、どういう意味だろう。
怪訝に思って、彼女の様子を伺うと。
片手でお腹を押さえて、なんだか苦しそうだ。
「た、高木さん、大丈夫?」
「あはは……大丈夫じゃないかも」
苦笑いする高木さんは、酷く辛そうで。
先程までの笑顔はカラ元気であったと気づく。
きっと、僕を心配させまいと隠していたのだ。
こんなに悪化するまで気づけなかったなんて。
自分の不甲斐なさを、痛感した。
「やっぱり、保健の先生を……!」
「西川、待って!」
「た、高木さん……うわっ!」
保健室を飛び出そうとした僕の手を引き。
高木さんが引き留めた。
勢いあまって、彼女のベッドに倒れこむ。
「ご、ごめん……平気?」
「うん、大丈夫」
「す、すぐに退けるから」
「待って!」
彼女に覆い被さったまま。
僕は高木さんに抱きしめられた。
甘い香りと、胸にゴリゴリした感触が伝わる。
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