29:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:18:58.72 ID:zmX2O7Gg0
 環「……待って、イグナス」 
  
 モフッ 
  
 環「イグナスはターニャのことを考えてくれてたんだよね。ターニャを、ひとりぼっちにさせたくなかったんだよね」 
  
 育「……ここにミランダさんと二人だけで住んでいるのも、お城の中や周りの人にあの姿を見せないようにするため、なんでしょ」 
  
 環「そうだよ……イグナスは自分の今までのこと、いっぱいターニャに話してくれたのに、ターニャはぜんぶだまってた。こんなの不公平だよね。ごめんね」 
  
 環「それでもイグナスはずっとターニャのそばにいてくれて……なのにターニャはおこったりして……。だけどもう平気だから、ターニャのこと、見て」 
  
 育「本当にいいの?」 
  
 環「……うん。イグナスの顔を見て、ちゃんとお礼が言いたいから」 
  
 育「わかった。それじゃあ――あらためて、おはようターニャ」 
  
 環「おはようイグナス。ずっとそばにいてくれて、ありがとう♪ ……えっ、その左手のケガって」 
  
 育「あっ……こんなの気にしなくていいよ。だってぼくが自分から――」 
  
 環「でも、でも……うわぁぁ〜ん」 
  
 育「泣かないでターニャ。ぼくは平気だよ」 
  
 環「だってミランダから聞いたでしょ? ターニャとずっといっしょにいれば、ターニャはイグナスのこと、食べちゃうかもしれないんだよ? ターニャ、そんなのやだよ」 
  
 環「ターニャはイグナスとずっといっしょにいたい……けど、イグナスを傷つけたくない……だからターニャは、イグナスとお別れしなきゃいけないの……」 
  
 育「お別れなんてしなくていいんだよ。ほら、ぼくをよく見て。君と一晩中いっしょにいたけど、食べられたりなんかしてないじゃないか」 
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