6:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:06:02.27 ID:zmX2O7Gg0
 環「ってことはイグナス、乗馬ができるの?」 
  
 育「うん。両親が「ヴォルフスの紳士たるもの必要な技術は身に着けるべし」って方針で、色々と習っていたんだ。みんな三年前の冬に、汽車の事故で亡くなってしまったけどね」 
  
 美也「三年前の汽車の事故といえば、あの港町に向かう特急が、大雪の影響で脱線してしまった事故ですか……」 
7:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:06:39.40 ID:zmX2O7Gg0
 環「じーっ……」 
  
 育「なんでそんなに見てるの? ぼくに何かおかしなところでもあるの?」 
  
 環「ねぇ、どうしてイグナスはターニャのことを天使とまちがえたの?」 
8:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:07:07.67 ID:zmX2O7Gg0
 環「むー。ふつうにしゃべっていいのに」 
  
 育「そういうわけには……」 
  
 環「ターニャはイグナスとお友達になれてうれしいんだ。だからふつうにしゃべってよ。お姫様めいれいだぞー」 
9:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:07:42.98 ID:zmX2O7Gg0
 育「……」 
  
 ガチャ 
  
 環「よいしょっと」 
10:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:08:18.51 ID:zmX2O7Gg0
 環「マーガレット……その子とイグナスは仲良しだったんだよね」 
  
 育「うん。最初はぼくだけでオーディションを受けるつもりだったけど、マーガレットのことも誘ったんだ」 
  
 育「彼女はしっかりしてて、かわいいし、きっといい女優さんになれると思ったから。だから本人からいっしょにオーディションに出たいって言われたときはうれしかった」 
11:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:08:51.22 ID:zmX2O7Gg0
 ――翌日 
  
  
 美也「ずいぶん顔色が良くなってきましたね〜。安心しましたよ〜」 
  
12:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:09:44.30 ID:zmX2O7Gg0
 育「だからこうして安全な場所に避難できたぼくが、ちゃんと稼いでみんなのためになれるようにしないと。元気になったらすぐに働きたいです」 
  
 美也「む〜ん、そうですか〜。姫様もイグナスさんと仲良くなれてとても嬉しそうだったので、残念です〜」 
  
 育「いえ。ここを出てもターニャとは友達でいたいです。ずっとこの屋敷や庭園でばかり過ごすのは、さみしいと思うし」 
13:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:10:26.14 ID:zmX2O7Gg0
 ――さらに翌日 
  
  
 育「きれいなちょうちょ……こんなの初めて見たよ。ジレールの街では普通のちょうちょを見かけることだって珍しいのに」 
  
14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:10:56.01 ID:zmX2O7Gg0
 育「……」 
  
 美也「……行ったようですね」 
  
 環「あいつら、イグナスのことを追ってきたの?」 
15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:11:31.89 ID:zmX2O7Gg0
 ――翌日 
  
  
 美也「――ではお手数ですが、よろしくお願いします」 
  
16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:12:27.62 ID:zmX2O7Gg0
 海美「……この国の治安を回復させるためにも、新しい女王の即位――お姉ちゃんとメルセデスお義兄様の婚礼を早くまとめたいところなんだけど」 
  
 海美「それにしても魔法科学が発達してて多くの魔術師を輩出しているサジタリアス王国の第三王子が、うちのお姉ちゃんとあんなにラブラブになってくれるなんてね」 
  
 環「そうだね。カタリーナお姉様、メルセデスお義兄様といっしょだといつもニコニコしてて幸せそうだぞ」 
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