15: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:57:20.78 ID:l6pE73h60
  
  全身が、かっと熱く燃え上がった。 
  
  まだやれる。まだやれるのだ。 
  アンツィオの夏はまだ終わっていない。 
16: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:59:23.01 ID:l6pE73h60
  
  大洗と試合をした経験は私の中に宿っている。 
  これまで通りやれば大洗に敗北してしまうことを、私は知っている。 
  
  戦術を変える必要がある。 
17: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:02:06.89 ID:l6pE73h60
  
  ――だとすれば、どうする? 
  
  簡単だ。奴らの思いもよらぬ策を打ち立てれば良い。 
  
18: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:03:32.99 ID:l6pE73h60
  
 「二回戦は、一回戦とは戦術を変えようと思う」 
  
 「これからですか? もう試合まで一週間ですよ」 
  
19: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:06:00.00 ID:l6pE73h60
  
  練り上げるのに半日かかったが、出来上がった作戦は完璧だった。 
  
  初めからフラッグ車へ奇襲をかけるのはやめだ。 
  今回はその真逆、各個撃破を行う。 
20: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:07:31.64 ID:l6pE73h60
  
 「ドゥーチェ、この後どうすんでしたっけ」 
  
 「あぁあああこっちに戻ってくるなあぁあああっ!」 
  
21: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:09:48.00 ID:l6pE73h60
  
  せっかくチャンスを与えられたというのに、またしても。 
  
  ――もっとみんなの性格を計算すべきだった。 
  
22: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:11:39.36 ID:l6pE73h60
  
 「ドゥーチェ……」 
  
  深刻な表情を見られてしまったのか、背後からカルパッチョの呟きが聞こえる。 
  
23: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:13:13.58 ID:l6pE73h60
  
 「はい、ドゥーチェ……っ!」 
  
  駆けてゆくカルパッチョを背に、西住の元へ。 
  
24: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:17:54.07 ID:l6pE73h60
  
  前回は西住とばかり話をしていたので、今度は角谷ら生徒会の面々に声をかけてみた。 
  クールに見えた河島という子は、言葉を交わしてみるとアンツィオの子たちを思い起こさせる激情を備えていて驚いた。 
  
  やはり、言葉を交わして、直に接してみて初めて気付くことというのは多い。 
25: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 22:20:49.94 ID:l6pE73h60
  
  三度目だ。三度目である。 
  つまり、私の身に起きているこれは、タイムスリップなどではなかったということだ。 
  
  ループしている。 
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