8:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:26:18.80 ID:XLNzjGnq0
  
 「あ、そうだ。あさひには言ったんだけど、社長から裏山には入らないように言われてるから、冬優子と愛依もそこだけは気を付けてほしい」 
  
 お開きになったところで、二人にも一応言っておく。 
  
9:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:27:00.56 ID:XLNzjGnq0
  
 ◇ 
  
 当然ながら、俺は別室で寝ることにした。部屋を出る前、冬優子と愛依にはあさひが裏山に行く可能性がないこともないから、気を付けてもらうよう耳打ちしたので、絶対、ほぼ、多分、おそらく……、大丈夫かはわからないけれど、念のため寝すぎないようにしておこう。と、そこまで思ってから、ぐったりという表現がふさわしい疲労感が全身にへばりついてきた。 
  
10:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:29:26.44 ID:XLNzjGnq0
  
 ◇ 
  
 つんざくような高音。ドタドタという、何かが走り回るような振動。 
  
11:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:30:19.81 ID:XLNzjGnq0
  
 「あさひ! 冬優子!」 
  
 玄関から反対側、つまりロッジの奥にある出窓の前で、あさひは頭を抱え、冬優子はもがくようにじたばたと身体を動かしていた。 
  
12:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:31:39.92 ID:XLNzjGnq0
  
 まだ落ち着きのないあさひが、窓の前に鎮座している望遠鏡を指さした。反射的に、というか深く考えることなく、裏山に向いている望遠鏡を覗き込んだ。 
  
 誰が持ってきたのか、はたまた元々あるものなのかはわからないが、望遠鏡は高性能なもので、遠くの景色でも綺麗に見える。 
  
13:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:32:37.41 ID:XLNzjGnq0
  
 「これ以上見てはいけない」 
  
 と本能的にそう感じた。だが、遅かった。望遠鏡の視界の中に、ソイツの顔が入ってきたのだ。 
  
14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:33:17.27 ID:XLNzjGnq0
  
  
  
 「プロデューサー!!」 
  
15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:34:28.02 ID:XLNzjGnq0
  
 爆発しそうな心臓を無意識に抑える。恐怖のせいか、上手く呼吸ができていない。 
  
 震えの混じった声で、あさひが口を開いた。 
  
16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:35:51.40 ID:XLNzjGnq0
  
 ◇ 
  
 「それで、どうすんのプロデューサー?」 
  
17:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:36:33.23 ID:XLNzjGnq0
  
 「いや、実は前にもこういうのに遭遇したことがあってな……」 
  
 「……今回のも、あんたが原因なんじゃないの?」 
  
40Res/33.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20