【艦これ】しおい「人魚」
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1: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:31:56.70 ID:f1uEgEbX0
船のエンジンを止め、港に付ける。

かなり小さいタイプの船のはずだがそれが気にならないほどにこの島の港は小さかった。

すぐにでも動かせるようにビットに軽くロープをかけ船を降りる。

降り注ぐ夏の日差しは容赦なく地上を焼いていくが海を撫でる潮風がそれを和らげてくれていた。

港に、他の船はなかった。


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2: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:34:10.76 ID:f1uEgEbX0
小さな島だ。この港も港というよりは単に船着場と言うべきか。

船着場から石階段を数段上がればそこには道路が一本走っており、向かい側には民家が並んでいる。

もっとも軒並み焼け落ち、崩れ去り、倒壊しているが。まともなのは島の奥にある学校らしき建物くらいか。
以下略 AAS



3: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:34:49.03 ID:f1uEgEbX0
男「!?」バッ

咄嗟に今しがた登った階段を飛び降り船着場の影に身を隠す。

人影が見えたからだ。陽炎揺らめく一本道の奥に。
以下略 AAS



4: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:35:30.97 ID:f1uEgEbX0
本土から数キロ。泳ぎに自信がある者なら難なく渡れる距離にある小さな島。

そこが今回の目的地。

陸で暴れ多くの人間を殺し、現在進行形で人の生活圏を脅かす深海棲艦。
以下略 AAS



5: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:36:15.80 ID:f1uEgEbX0
リュックから袋を取り出す。

サンドイッチ。これが今日の昼食だ。…下手をすればこれが最後の晩餐だ。

そう考えると随分寂しい食事だがしっかり味わっておかねば。
以下略 AAS



6: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:36:56.91 ID:f1uEgEbX0
雲一つない青空。

穏やかな海。

心地よい海風。
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7: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:37:31.99 ID:f1uEgEbX0
「おっと!あーびっくりしたぁ」

男「…はぁ?」

幸いにもサンドイッチは海にではなく手の上に落ちた。
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8: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:37:59.63 ID:f1uEgEbX0
「…」ジー

男「とりあえずそれ返せ」

「…」ジー
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9: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:38:31.45 ID:f1uEgEbX0
男「はぁ。わかったわかった、一口だけな」

「ホントに!?ありがとぉ」

男「…一口ってもアレだぞ!大口で一気にとかなしだからな!」
以下略 AAS



10: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:39:07.08 ID:f1uEgEbX0
「はい。ありがと」

男「おう。…なんな少しふやけてるな」

「あー手濡れてたからかな」
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11: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:40:11.01 ID:f1uEgEbX0
「おじ、お兄さんはこんな所で何してるの?」

男「言い直したよな?今言い直したよな?」

「細かい事は気にしない気にしない」
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12: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:40:43.36 ID:f1uEgEbX0
男「いやそれよりお前は何してんだこんな所で?」

「何って、うーんなんだろ?改めて聞かれると困るなあ」

男「どういう事だよ…」
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13: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:41:33.99 ID:f1uEgEbX0
男「お前親は何処だ?さっさと帰った方がいいぞ」

「親、うーん誰を親と言うべきかなぁ。私の元って事なら、多分海の底だろうし」

男「あぁ…そっか」
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14: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:42:05.74 ID:f1uEgEbX0
まだ学校があった時代って事は俺が生まれる前って事か。

パンドラ事件は今から30近く前だから、それ以前の話。

そりゃこんなガキが知るわけもない。
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15: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:42:45.10 ID:f1uEgEbX0
浮いてる船に、それもこんな小さな船に海から上がるというのは実は意外と難しい。

穏やかな海とはいえ決して揺れが無いわけじゃないし、小さい船だと下手すれば転覆しかねない。

しかし手を貸してやろうと思ったがこのガキ、妙に慣れていて自分一人でスルリと上がってきた。
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16: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:43:14.64 ID:f1uEgEbX0
男「なあしおい。お前ここら辺長いのか?」

しおい「うん。結構」グイッ

長時間泳いでいたからかストレッチを始めやがった。船の上で。
以下略 AAS



17: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:43:48.50 ID:f1uEgEbX0
しおい「ここからずっと見張るの?」クイッ

今度は片足立ちを始めた。

男「いや、夜まで待つだけだ。ヤツら夜だと鈍いからな」
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18: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:44:22.86 ID:f1uEgEbX0
しおい「排除するの?」

男「そりゃそうだろ」

しおい「モノノ怪だから?」
以下略 AAS



19: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:45:08.86 ID:f1uEgEbX0
しおい「人間って怖いよ」

急にしゃがみこむしおい。彼女にも、何かそう思ってしまうような事があったのだろうか。

男「…そうだな」
以下略 AAS



20: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:45:42.00 ID:f1uEgEbX0
しおい「ねえおじいさん」

男「なんで混ぜた。なんでお兄さんとおじさん混ぜた。結果的にすげぇ歳食ってるじゃねえか」

しおい「軍人なんでしょ?さっき言ってた人工島とかそういう話もっと聞かせてよ」
以下略 AAS



21: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:46:14.85 ID:f1uEgEbX0
・・・
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男「夕暮れか」
以下略 AAS



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