11: ◆C2VTzcV58A[saga]
2019/08/08(木) 00:32:25.89 ID:6wqhlklP0
 1時間後 
  
  
 P「いやー、うまかったなー。やみつきになりそうな味だった」 
  
 千夜「まだ舌にスープの感触が残っています。それほど濃厚でした」 
  
 P「おいしかったか?」 
  
 千夜「はい。命令で連れ出されましたが、今は満足しています。約束通りお前の奢りでしたし」 
  
 P「完全に聞き流してるような態度だったのに、そういうとこはちゃんと聞いてるんだもんな」 
  
 千夜「……ところで、何故私を誘ったのですか」 
  
 P「え? だから、ひとりで新しい店開拓するのは不安だったから」 
  
 千夜「別に私でなくともよかったはずです。誘うのに手こずるのはわかっていたのに、わざわざ私を選んだ理由を聞いています」 
  
 P「……まあ、千夜はいっぱい食べるし、脂っこいのも好きって聞いてたから。ラーメン屋に誘いやすかったのと」 
  
 千夜「それと?」 
  
 P「食べ方が豪快で、見ていて気持ちいいからかな」 
  
 千夜「そうなのですか? 自分ではよくわかりませんが」 
  
 P「そうなんだよ。今日は特に、おいしそうにすごい勢いで麺を啜ってたから。今までに見たことない千夜の顔を見ることができた。それだけで十二分に価値があったよ」 
  
 千夜「私の表情ひとつにそこまで価値があるとも思えませんが」 
  
 P「価値があるかどうかを決めるのは俺だ」 
  
 千夜「勝手だな」 
  
 P「世の中そんなもんだ。何かに価値があるかを決めるのは、いつだって受け手次第。アイドルも同じだ」 
  
 P「俺は、そんなアイドルの価値を売り出す役」 
  
 千夜「とんだ闇市ですね」 
  
 P「優秀なセールスマンと呼んでくれ」 
  
 千夜「優秀かどうかは、今後の働きぶりで判断します」 
  
 P「お手柔らかに」 
  
 千夜「厳しくいきますが」 
  
 P「だよな」 
  
 千夜「お嬢様と私の時間を預けているのです。結果を出してもらわなければ意味がない」 
  
 P「……千夜は、なんだかんだ、アイドル活動のことを大事に思ってくれてるんだよな。さっきだって、ユニットのイメージについて提言してくれてたし」 
  
 千夜「お嬢様が飽きるまでは、私も本気で取り組むつもりなので」 
  
 P「ちとせが飽きたとしても、俺は千夜を引き留めるつもりだけどな」 
  
 千夜「それは……まったくもって、自分勝手だな」 
  
  
  
  
 千夜「ただ……私もお嬢様も、自分勝手だから。ある意味、釣り合いは取れているのかもしれない」 
  
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