双葉杏「透明のプリズム」
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9: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:04:29.59 ID:OJA0wgUK0


「新しい人って、明日から来るの?」

「そうだね」


資料の伝達が終わったので、私はもう帰るなりすれば良かった。
それでも私は、プロデューサーに何気ない質問を投げかけた。
プロデューサーも律義に質問に答える。
そうやって永遠に質疑応答を繰り返すことが出来れば良かったのに、と本気で思っていた。


新しい人ってどんな人なの。
俺より若いよ。
そもそもプロデューサーいくつだっけ。
25くらいだな。
くらいって何さ。
あんまり覚えてないんだよ。
そういうものなの?
そういうものだよ。


私たちは無意味な日常会話を繰り返した。
その無意味な日常会話が、日常会話の無意味さが、何よりも意味を持っていることも分かっていた。

最後に、こんな質問をした。


「プロデューサーの新しい部署って、どこにあるの」

「一階下の、エレベーターを降りて右の部屋」


何でそんなこと聞くの、と生意気なことを言うので、別になんだっていいじゃん、と突き放すように答えておいた。




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